コクラン

国内では茨城県から九州にかけて分布するラン科の多年草。 和名の漢字表記は黒蘭で、花の色から付けられている。 筆者が高尾山で観察した範囲では、実際の花の色は暗紫色から赤味が強いものまで幅がある。 写真の左円内の花(2019/7撮影)はかなり黒っぽい色をしているが、右円内の花(2021/7撮影)は赤味が強い。
草丈は20cm前後で、数個から10個ほどの小さな花が総状につく。 花の構造を右円内写真の個体を使って説明すると、以下のようになるようだ。
まず目につくのは、ぼってりとして丸味を帯びた唇弁。 中央部には淡緑色をした蕊柱がある。 左右に伸びた少し幅広の部位は側萼片。 同じく左右に伸びたひも状のは側花弁。 背後から出ている棒状のものは背萼片。
コクランは撮影に手こずる花の一つだ。 草丈が低いので、普通にカメラを構えるとどうしても林床の雑多なものが一緒に写り込んでしまう。 加えて、小さな花は地味な色合いだし、個々の花はバラバラの方向を向いているから、なかなか満足のいく写真にならない。
2021/7/18 一丁平近くで撮影

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