アケボノシュスラン

ラン科の多年草で、日本では北海道から奄美大島にかけて分布する。 和名−曙繻子蘭−は、葉の感じが織物の繻子に似ていることから名付けられたシュスランの仲間で、花の色が朝の空の色−曙色−をしていることから。 高尾山では、いろはの森コースの生育地が知られているが、毎年咲くとは限らないようだ。 2020年は多くの株に花がよくつき、花の愛好者を楽しませてくれた。 幸い、筆者は蕾のときから咲き終わるまで数回にわたって観察する機会があった。 下記はそのときの印象。
最初に蕾を見たは9月中旬で、蕾はいくらか膨らみ始めていた。 1,2週間もすれば開花するのかと思いきや、1週間後もまだ蕾で、2週間後の9月末になってようやく一部の花が開花しはじめていた。 多くの花が開花して見ごろを迎えたのは、10月の初めになってからである。 10月4日は日曜日で、多くの人が観察や撮影に訪れていた。 その後、天気の悪い日が続いたので、次に訪れたのは2週間置いた18日。 とっくに花は終っているものと予想して向かったら、まだ多くの花がしっかりと残っていて少々驚いた。 それだけではなく、花の赤味も増しているようだったのは意外だった。 右に掲載した写真はその時のもの。
今回の観察でわかったのは、蕾が膨らんでから開花までがけっこう長いことと、開花してからも花は長持ちし、日にちが経つにつれ花の色が濃くなり、曙色にふさわしい印象を受けたことだ。 もちろん、これはその年の気象条件に左右されているかもしれず、花の色についても観察の時間帯や個体差による違いがあり、厳密な比較の上での話ではない。
2020/10/18撮影。

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