随心院(京都市) 2014年 12月
 随心院(ずいしんいん)は、山科にある真言宗善通寺派大本山の寺院である。 創建は、10世紀末と言われ、小野小町ゆかりの寺としても知られている。
 場所は、山科区小野で、地下鉄小野駅から東に向かって歩けばそう遠くない。
 少しくたびれて見える総門から境内に入る。 境内はゆったりとしている。 右側には、小野梅園と呼ばれる梅園があり、これに沿って東に向かうと、 諸堂宇を囲むように築地塀が巡らされている。
 拝観者は庫裏から建物内部に入るのだが、その前に、庫裏の玄関前に置かれた歌碑が目に入る仕組みになっている。 百人一首に選ばれている小野小町の「花の色は移りにけりないたづらに・・・」の歌が刻まれている。
 庫裏から大玄関、表書院、本堂などを回れる。 主要堂宇はつながっているので、外に出ないで拝観できる。 表書院などの部屋の襖には、見事な絵が描かれていて、見どころの一つになっている。
 全体にゆったりと配置された建物や庭園からは、寺院というより上品な大邸宅といった印象を受ける。 門跡寺院としての歴史が長いからかもしれない。
 建物内部の拝観に続いて、小野小町ゆかりの井戸と文塚の見学。 小町化粧井戸は、薬医門の近くにあるが、文塚は本堂の裏手にある。 細い道を標識を頼りに進むと、薄暗い林の中に石塔がある。 ここまで来る人は少なそうで、あたりは静まり返っていた。
 写真は、CANON 5D Mark U・EF-24-105mm F4L IS USMで撮影。


 総門
 18世紀に二条家より移築されたものだそうだ。
 屋根がかなりたわんでいるのは、老朽化のためだろうか。
2014/12/06撮影

 17世紀に建てられた薬医門
 この門が正門なのだろうが、別に拝観者用の門が、向かって左手の少し離れたところにある。
 薬医門を外側つまり西から眺めると、随心院は山(高塚山だろうか)を背にしていることがわかる。
 門に向かって左手前(写真の茂みの中)には小野梅園があり、花の季節に公開される。
2014/12/06撮影

 大玄関から見た薬医門の内側
2014/12/06撮影

 中央奥に見えるのが本堂正面、左の障子張りの部屋が表書院。
2014/12/06撮影

 小町化粧井戸(写真左)と小町文塚(写真右)
 小野小町は晩年をこの地で過ごしたといわれ、 化粧井戸は小町が使用したとされる。
 また、文塚は、深草少将などからの文を埋めたところとされる。 境内裏手の樹木の茂った薄暗い場所にある。
 小町の生きた時代は、9世紀と推定されているので、随心院が創建されるかなり前のことになる。
2014/12/06撮影

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