天龍寺(京都市) 2013年 6月
 天龍寺(てんりゅうじ)は、京都市右京区にある臨済宗天龍寺派の大本山で、 正しくは霊亀山天龍資聖禅寺である。
 開基は足利尊氏、開山は夢窓疎石。 後醍醐天皇の菩提を弔うために建立されている。 1339年のことである。 その資金調達のため、天龍寺船という貿易船を利用したことでも知られている。
 京都五山の第一位に列せられて繁栄する一方、8回もの火災に遭い、その最後にあたる幕末(1864年)の 蛤御門の戦で伽藍のほとんどを焼失している。 現在見る建物のほとんどが明治時代以降に再建されたものである。
 筆者が訪れたのは観光シーズンとは言えない6月中旬の日曜日だったが、嵐山から嵯峨野にかけては 観光名所だけあってやはり相当な人出だった。 そのうちのどれだけの人が天龍寺まで足を運ぶのかわからないが、とりあえず天龍寺も見ておこうという 人たちも多そうな感じである。
 あいにくこの時期は、2014年3月まで続く改修工事のため、諸堂の拝観が休止になっていた。 その代わり、法堂の雲龍図が公開されていたので、曹源池庭園と合わせて見学した。
 まず、法堂に入って、天井の雲龍図を見る。 この雲龍図は、平成になって、加山又造画伯によって新たに描かれたもの。 法堂に入ってまず感じるのは、天龍寺という大寺の法堂にしては意外と小さく天井も低いことだ。 建仁寺や妙心寺などの大空間と比較してのことだが、法堂が小さい原因は、 この建物がもともと選佛場だったのを明治時代に移築して、法堂としたためのようだ。
 次に、夢窓疎石作庭の曹源池庭園(そうげんちていえん)の見学。
 大方丈と書院に面して広い池を配した庭園が空が広く明るい。 多くの観光客が記念撮影している。 絵になる景色である。 庭園内には遊歩道が整備され、あちこちでアジサイの花が出迎えてくれる。
 前述したように、幕末に堂宇のほとんどを焼失している天龍寺では、最大の見どころは曹源池庭園 のようだ。
 写真は、PENTAX K-5・DA★16-50mmF2.8ED AL[IF]SDMで撮影。

 総門
 門の奥に見える屋根は勅使門
 この総門とは別に、少し南に離れて南門があり、 車はそちらから出入りする。
2013/6/16撮影

 法堂
 江戸時代末期(1864年)の兵火によって焼失後、明治時代に選佛場(江戸時代後期建立)を移築したものという。 今でも、正面には「選佛場」の額が掛ったままだ。
 内部の天井には、加山又造画伯によって1997年に描かれた雲龍図がある。
2013/6/16撮影

 夢窓疎石の作庭になる曹源池庭園(そうげんちていえん)
 右奥の建物は書院。
2013/6/16撮影

 曹源池庭園
2013/6/16撮影

 竹林の道
 天龍寺の北側には風情のある竹林が広がっている。
 ここも観光スポットなので多くの人が散策していた。
 暑い時期には日が遮られ、爽やかな風が吹き抜ける。
2013/6/16撮影

[TOP]