太山寺(愛媛県松山市) 2011年 10月
 太山寺(たいさんじ)は松山市にあり、真言宗智山派のお寺で、山号は龍雲山。
 四国八十八箇所霊場の第五十二番札所である。
 筆者が訪れたのは、10月初めの穏やかな日だった。
 お寺が松山の市街地からはずれた場所にあるので、電車とバスを乗りついで向かった。 松山駅からは、市電そして伊予鉄道の高浜・横河原線で三津駅に出る。 そこからバスに乗ると、太山寺バス停は仁王門に続く石段の下だった。
 見上げる仁王門は鎌倉時代の創建で堂々として風格がある。 門の両袖には、色あせた金剛力士像が安置されている。 腕のたくましさに比べて、胴体がほっそりとした印象を受ける。
 境内を奥に進むと、左手に一畑薬師堂が現れる。 目の病気平癒にご利益があるとされている。 出雲市にある一畑薬師より勧請されているのだろう。
 木々に囲まれた坂道をしばらく登るとやっと山門に着く。 この門も立派な構えである。 中に入ると、中学生の一団が思い思いの場所に陣取って写生をしていた。 美術の授業らしい。
 山門正面に本堂がある。 鎌倉時代建立で、愛媛県最大の木造建築と言われるだけあって、量感のある建物である。 ほかにも、鐘楼堂、聖徳太子堂、大師堂、長者堂、護摩堂、稲荷堂、地蔵堂などが建ちならび 見どころが多い。
 本堂の裏手に回ると、ヒガンバナの花が真っ赤な花をつけて、秋たけなわであることを 知らせていた。
 写真は、PENTAX K-5・DA★16-50mmF2.8ED AL[IF]SDMで撮影。


 仁王門
 鎌倉時代の建立とされる。
 仁王門前の石段の下には、伊予鉄道三津駅からのバスが来る停留所がある。
2011/10/3撮影

 仁王門の内側には、「大悲閣」の扁額が掲げられている。
 右の写真は、2体の金剛力士像。
2011/10/3撮影

 山門(四天王門)
 仁王門からかなりの距離を歩いて、山門に達する。
2011/10/3撮影

 山門から見た本堂
 愛媛県最大の木造建築とされるだけあって、堂々としている。
 1305年建立で、国宝に指定されている。 木造十一面観音立像が本尊として安置されている。
 拝観した日は、中学生の一団が境内で写生をしていた。
2011/10/3撮影

 本堂裏手には、ヒガンバナの花がちょうど満開だった。
 昔、力比べに使ったという「亀の石」。 大・中・小があり、これは中で120kgだという。
 ほかにも痔の石など興味深いものがある。
2011/10/3撮影

 境内のヒガンバナにアゲハチョウが来て、 花から花へと熱心に蜜を吸っていた。
2011/10/3撮影

 ヒガンバナは日本全国に見られ、中国大陸から渡来した植物とされる。 東京周辺でもお寺の境内などには珍しくはないが、畑や田の畔で見かけるのは、 関西以西が多いような気がする。 鉄道の車窓から観察しても、東海道新幹線に乗ってヒガンバナが見えることはほとんどないが、 山陽新幹線の西寄りの広島県や山口県、それに予讃線の沿線などでは田の畔に咲くヒガンバナの花を よく見かけたからである。 インターネットで調べてみると、分布の中心は西日本らしいので、筆者の車窓からの観察と一致する。

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