塩船観音寺(東京都青梅市) 2012年 5月
 塩船観音寺(しおふねかんのんじ)は真言宗醍醐派の別格本山で、東京都青梅市にある。 山号は大悲山である。
 7世紀の大化年間に、若狭国の八百比丘尼が紫金の千手観音像を奉安したことに始まるとされる古い歴史 を持つ寺である。 塩船は地形が船の形に似ていることから、「弘誓の舟(ぐぜいのふね)」になぞらえて天平年間に 行基が名付けたと言われている。
 近年は花の寺として、特にツツジが有名である。
 筆者もツツジの時期に合わせて2012年の5月連休明けに訪れた。 青梅線で河辺駅まで行き、バスに乗り換えてお寺に向かった。 最寄りのバス停から歩いて10分くらいである。 仁王門の前に着いたのが昼近かったので、すでに大勢の観光客が行き来していた。 さっそく境内に入ってみる。 仁王門から奥に歩くと、正面に阿弥陀堂があり、その奥の階段を登った杉木立の中に薬師堂、さらに登ると 本堂がある。 本堂は室町時代後期建立の茅葺屋根の建物である。 仁王門から本堂までの境内は、数百年も遡って武蔵国当時の面影を残しているかのような素朴さを感じる。
 本堂に向かって左手奥に広がるのがつつじ園である。 なるほど、丘に囲まれたすり鉢状の地形に、色とりどりの鮮やかなツツジの花が点在していて見事だ。 これは一見の価値のある光景である。 つつじ園の中の通路を散策してみると、ベンチでお弁当を広げている人たちが多いのに気づく。 お寺にお参りに来ているというより、公園に来ているという感覚かもしれない。
 それでも多くの人がお寺を身近に感じるきっかけとなれば、仏教にとって悪いことではないだろう。
 写真は、PENTAX K-5・DA★16-50mmF2.8ED AL[IF]SDMで撮影。

 茅葺屋根の仁王門
 つつじ祭の期間中で穏やかな天気のため、平日にもかかわらず たくさんの観光客で賑わっていた。
2012/5/7撮影

 杉木立に囲まれた薬師堂。
 のどかでゆったりとした雰囲気につつまれ、昔の武蔵国当時はこんな環境が普通だったのではないか、と想像させる空間だ。
2012/5/7撮影

 本堂
 茅葺屋根の本堂は、室町時代後期の建立と言われる素朴な味わいの建物。
2012/5/7撮影

 つつじ園と護摩堂弘誓閣
 護摩堂弘誓閣は平成になって完成した新しい建物。
2012/5/7撮影

 つつじ園と護摩堂弘誓閣
 上の写真とは反対側の斜面から撮影している。
 原色があふれていて、目がくらむようだ。
2012/5/7撮影

 つつじ園の中の鐘楼
2012/5/7撮影

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