漢國神社(林神社)(奈良県奈良市) 2017年 5月
 奈良は古都だけあって、いろいろなモノの発祥の地とされている。 饅頭もその一つであるらしい。
 漢國神社(かんごうじんじゃ)は、近鉄奈良駅の近く、やすらぎの道に面して建つ比較k的規模の小さな神社で、 始まりは推古天皇の時代まで遡るとされる歴史のある神社である。 とはいっても、観光の目玉になるようなものは見当たらないので、普段はひっそりとしている。
 そんな漢國神社に筆者が興味を持ったのは、境内に建つ林神社(りんじんじゃ)の存在である。 この神社は、日本で唯一の饅頭の社で、中国から日本に饅頭を伝えた林浄因(りんじょういん)を祀っている。 林浄因は、室町時代の1349年に来日し、漢國神社の近くに居を構えて、肉の代わりに餡子入りの饅頭を考案したといわれる。 これが好評を博し、日本における饅頭の始まりとされる。 林浄因の命日にあたる4月19日には、全国の菓子業界の人たちが集まって、盛大に饅頭祭が行われるという。
 ただし、林神社が漢國神社境内に建立されたのは、比較的新しく1949年という。
 写真は、RICOH GX200で撮影。


 やすらぎの道から見た漢國神社の鳥居。
 左側の石柱に、「饅頭の祖神 林神社」の文字が見える。
2017/5/28撮影

 こじんまりとした林神社(写真左)
 境内にはほかに、饅頭塚もある。
2017/5/28撮影
 東向商店街にある和菓子屋「千代の舎竹村」で売られている奈良饅頭(写真上)
 林浄因の時代から続いているわけではないようで、彼の饅頭にちなんで、近代的に再現したものらしい。 白餡と黒餡があり、素朴な味で食べやすい。 黒餡には林の文字が、白餡には鹿の絵の焼き印が押されている。
 実は、筆者が購入しようとしたときは売り切れで、写真の饅頭は後日、一緒に旅行した絵の仲間が購入してくれたもの。

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