文殊仙寺(大分県国東市) 2014年 3月
 文殊仙寺(もんじゅせんじ)は、大分県国東市にある天台宗の寺院で、山号は峨眉山。
 7世紀に役行者によって創建されたといわれ、日本三文殊の一つに数えられる(異説あり)という。 また、「三人寄れば文殊の知恵」の発祥の地でもあるらしい。 知恵を司る文殊菩薩を祀っているので、受験生などに人気の寺院のようだ。
 場所は、国東半島の中央部の文殊山の中腹にある。
 訪れたのは、3月下旬の日曜日。 実は、前日の夜まで、文殊仙寺まで足を延ばすかどうか決めかねていた。 というのは、予報では天気が良くなさそうで、雨の中をいくつもの寺院を回るのを億劫に感じていたからだ。 ところが、宿泊していた豊後高田のホテルでNHKニュースを見ていて、文殊仙寺の春の大祭が行われているのを知った。 遠路はるばる国東半島までやってきて、せっかくの機会を逃す手はないので、文殊仙寺を翌日の目的地に加えることにしたのだ。
 朝、長崎鼻と旧千燈寺跡を見て、文殊仙寺の駐車場に着いた時も、まだ小雨が降ったり止んだりのあいにくの空模様。 傘を手に石段を登り始めると、野ざらしの石造の仁王像が立ちはだかっている。
 石段はほぼまっすぐ上に向かって続いていて、はるかかなたに山門が見える。 水たまりをよけながら石段を登るので、少々難儀だ。 やっと山門まで登り切っても、奥ノ院まではあと80段と表示されている。 とても気軽に参拝できるような環境ではない。 知恵を授かるには、それなりの覚悟が必要というわけだ。
 石段を登りきると、切り立った岩肌を背に鬱蒼とした森の中に、奥ノ院は建っていた。
 案内されるままに靴を脱いで薄暗い堂内に入る。 拝観順路に従って奥に進むと岩肌が現れ、そこに「知恵の泉」が湧き出ているのだった。 普段、ここは非公開らしい。 ありがたく「知恵の泉」を飲むことができた。 これで少しは頭が良くなるだろう。
 この日は、火渡りの行事も予定されているのだが、残念ながら時間に余裕がないので、次の目的地に向かうことにし、 文殊仙寺を後にした。
 写真は、RICOH GX200で撮影。


 駐車場から石段を少し登ると、石造の仁王像が迎えてくれる。
 顔は斜め上方を向いている。
 石像の表面には苔がついていて、周囲の森に溶け込んでいる。
 山門は、はるか上方に小さく見える。

2014/3/30撮影
奥ノ院は、山門からさらに80段の石段を登った場所にある。 大木に囲まれ、ごつごつした岩肌にへばりつくように建っている。
 奥ノ院の背後の岩からは、「知恵の泉」という霊水が湧き出ていて、 飲むと知恵を授かるという。
 私もご利益を期待して、ありがたく飲んだ。


 この日は春の大祭で、参拝者には紙の袋に入れた紅いお餅(直径5cmほど)が配られていた。(写真上)
 東京まで持って帰り、翌日家で食べようとしたら、硬くなっていて歯が立たず、 温めて柔らかくしてから食べた。
2014/3/30撮影

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