まんだら堂やぐら群(逗子市) 2015年 3月
 やぐらとは、平地が少なく、柔らかい砂岩の多い鎌倉地域に見られる横穴式の墳墓である。 鎌倉時代から室町時代にかけて、鎌倉の人口の多かった時代に作られたといわれている。 鎌倉を散策すると、いたるところで、やぐらを目にすることができる。 中でも大規模なやぐら群の一つがまんだら堂やぐら群で、150穴以上が集まっている。 場所は、鎌倉市の南東隅にあたる名越切通(なごえきりどおし)のそばで、現在は逗子市に属する。 まんだら堂という地名から、なにやら宗教的な施設を連想するが、堂宇などは残っておらず、史料もないらしい。
 筆者が訪れたのは3月中旬のことで、逗子駅から岩殿寺(がんでんじ)などを経由して、 まんだら堂やぐら群に着いた。 このまんだら堂やぐら群は、逗子市が管理していて、年間の限られた日のみ公開されている。 入場は無料だが、りっぱなパンフレットが用意され、ボランティアらしき人たちが説明までしてくれる。 おかげで、歴史や発掘調査からわかったことなどを知ることができた。
 写真は、PENTAX K-5・DA★16-50mmF2.8ED AL[IF]SDMで撮影


展望広場から眺めたやぐら群の中心部。
4段にわたって掘られていて、開口部が不気味だ。
廃墟となった要塞のようでもある。
反対側には海が見える。 今は木が茂っていて枝がうるさいが、やぐらが作られていた時代、供養に訪れた人は、 やぐらと海を眺めて故人をしのぶことがあったのかもしれない。
2015/3/15撮影

近づいて見たやぐら
柔らかい岩質のため、機械がなかった時代でも横穴を掘りやすかったのだが、風化も速い。 ほっておくと、植物の根の力などで、崩壊するそうだ。
2015/3/15撮影

やぐらの周りには、スイセンが咲いていた。
2015/3/15撮影

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