真木大堂(大分県豊後高田市) 2014年 3月
 真木大堂(まきおおどう)は、今は存在しない伝乗寺という大寺院の堂宇のひとつであったらしい。
 ここを有名にしているのは、伝乗寺の各堂宇に伝えられた見事な仏像が集められているからだ。
 場所は、大分県豊後高田市にあり、周りにはのどかな田園風景が広がっている。
 道路を隔てて向かい側にある駐車場に車を置き、敷地内に入ると、すぐに受付がある。 山門のたぐいはなく、七堂伽藍が並んでいたという昔の面影は見当たらない。
 受付を通ると、目の前にりっぱな収蔵庫がある。 さっそく中に入ると、ガラスの向こう側に、阿弥陀如来坐像を中心にして、 大威徳明王像、不動明王像など国の重要文化財に指定されている9体の仏像が並んでいる。 平安時代の作とされるそれぞれが、見ごたえのある像である。
 特に、水牛に乗った六面六臂六足の大威徳明王像は、迫力があり目を引く。 大威徳明王像としては日本一の大きさとのことだが、大きさの点を抜きにしても、これだけの出来栄えの像は、 ほかではなかなか目にすることはできないだろう。
 ただ、収蔵庫がりっぱで仏像とはガラスで隔てられているために、博物館の展示品を眺めているような感覚は拭えない。 やはり仏像は、本来あるべき場所、つまり寺院建築物の中に安置されるものだと思う。
 写真は、CANON 5D Mark U・EF-24-105mm F4L IS USMで撮影。


 田んぼの広がるのどかな田園地帯の中、森を背にした真木大堂。
 正面に見えている真新しい建物が収蔵庫。 ほかに主だった建物としては、旧大堂があるだけで、往時の大寺だったころの面影はない。

 旧大堂

2014/3/29撮影

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