功山寺(山口県下関市) 2011年 9月
 功山寺(こうざんじ)は曹洞宗のお寺で、山号は金山。
 1327年(嘉暦2年)、臨済宗の長福寺として創建された。 その後17世紀に長府毛利家の菩提寺となって曹洞宗に変わり、名前も功山寺となった。
 幕末には、高杉晋作が挙兵した寺として、歴史に名を残すことになる。
 筆者が訪れたのは9月末。 まだ暑さの残る日だった。 城下町長府というバス停からぶらぶら歩いても、大した距離ではなかったが、 汗ばむほどの陽気だった。 表通りから少し入ると、落ち着いた城下町の風情が残る街並みが続く。
 功山寺はさほど規模の大きな寺ではないが、山門はなかなかに堂々としている。 山門を入って正面には国宝に指定されている仏殿がある。 鎌倉時代末期の禅宗様の典型的な建造物とされている。 檜皮葺の屋根が作る曲線が優美だ。
 隣には法堂がある。 300円を払うと法堂と書院内部の見学ができる。
 筆者が見学したときは、ほかに誰もいなかったので、幕末の騒然として 世情に思いをはせるのが難しいほどに静まり返っていた。
 写真は、RICOH GX200で撮影。


 瓦葺きの総門
 「海右第一峯」と書かれた扁額が見える。
 柱には、中国三十三観音霊場第十九番の札がかかっている。
 この総門の前は、野久留米街道(旧山陽道)が横切っていて、 明るく開けているが、門をくぐると深い木立が山門まで続いている。
2011/9/29撮影

 山門
 安永二年(1773年)に建立(再建)されたもの。
2011/9/29撮影

 仏殿
 鎌倉時代末期の禅宗様の典型的な建造物とされ、国宝に指定されている。 1320年に建立されたといわれる。
 裳階(もこし)のついた檜皮葺の屋根の曲線が優美だ。
 本尊として、千手観音菩薩坐像を安置する。
2011/9/29撮影

 庭園
 七卿潜居の間がある書院が、法堂と内部でつながっている。
 300円の拝観料で、法堂と書院内部を見学できる。
 建物内部(庫裡玄関入り口)には、韋駄天立像があり、これも一見の価値がある。
 法堂は瓦葺きの建物だ。
2011/9/29撮影

 城下町の雰囲気を色濃く残す古江小路。
 功山寺のたどった歴史は、この長府の町の歴史と深く結びついている。
2011/9/29撮影

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