高徳院(鎌倉大仏)(鎌倉市) 2010年 3月
 一般には、鎌倉大仏の名で親しまれているが、 詳しくは、大異山高徳院清浄泉寺(しょうじょうせんじ)という浄土宗のお寺である。
 鎌倉の象徴である大仏はあまりに有名だが、その起源、製作年代などは不明な点が多くはっきりとしないらしい。 現在の銅造大仏は、13世紀に作られたと推定されている。 その後、大仏殿の倒壊などの曲折を経て、江戸時代に再興された際に、 浄土宗に変わり、高徳院の名になったようだ。 その間、材木座にある光明寺の奥之院扱いになっていたこともあるという。 その名残りを、水盤に刻まれた「光明寺奥院」の文字から知ることができる。
 とにかくなぞの多い大仏で、鎌倉で唯一国宝に指定されている仏像である。
 筆者が最初に訪れたのは、小学生のころだったと思う。
 ここに紹介した写真は、2010年になって久しぶりに大仏に対面したときのものである。
 青空の下に鎮座する大仏は、子供のころの記憶ほど大きくは感じない。 建立当時は、金箔が施されていたというから、今の緑青色とはまったく違って 見えたことだろう。
 写真は、CANON 5D Mark U・EF-24-105mm F4L IS USMで撮影。


 阿弥陀如来坐像、通称鎌倉大仏。
 離れた位置から見ると、頭がかなり前傾していて、 うつむいて思索にふけっているように見えるが、正面真下に移動して見上げると、 ちょうど参拝者に顔を向けているようになり、 前傾しているとは感じない。
 そういうことを計算して、顔を前傾させているのではないかと思われるがどうだろうか。
2010/3/22撮影  桜の季節の大仏(上の写真)
2012/4/13撮影

 背後から見た大仏。
 猫背の様子が強調されて見えるせいか、表側とは表情がずいぶん違う。
 それに頭部が前傾している構造が大地震のとき大丈夫なのか心配になってしまう。
2010/3/22撮影

 大仏の像内。
 20円支払うと、空洞になっている像の中に入ることができる。 継ぎ目から、分割して鋳造されたことがわかる。
2010/3/22撮影

 境内の奥、大仏の背後には、観月堂がある。 ソウルの朝鮮王宮にあったものを移築したものという。
 一目で、日本風とは違った印象を受ける。
2010/3/22撮影

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