光触寺(鎌倉市) 2012年 10月
 光触寺(こうそくじ)は、鎌倉市十二所(じゅうにそ)にある時宗の寺院である。山号は岩蔵山。
 初めは真言宗の寺であったそうだが、開山の作阿上人が一遍上人に帰依し、時宗に改めたと言われている。
 筆者が訪れたのは、2012年の10月上旬。 本尊の阿弥陀如来三尊像が公開される日に合わせて出かけた。 一般公開は春秋の2回で、秋は10月の第一土曜である。
 十二所という鎌倉駅から東に少し離れた場所にあるので駅からバスを利用した。 十二所のバス停で降りると山門までは近くだ。
 さして広くない境内を墓地に沿って進むと、左手に本堂が見えてくる。 本尊の一般公開日なので、本堂の戸が開かれていて、数人の拝観者が出入りしていた。 さっそく筆者も靴を脱いで中に入り300円を納めると、本尊の阿弥陀如来三尊像に関する逸話を記した紙を頂ける。 これに目を通しながら豪華な厨子の中に安置されている三尊像を拝観した。 戦前までは国宝に指定され、現在は国指定重要文化財の仏像である。 阿弥陀如来像は通称「頬焼阿弥陀」と呼ばれ、運慶作と伝えられている。 薄暗くて肝心のお顔など細かいところは見えなかった。(注1)
 しばし諸仏像を拝観後、本堂から出て改めて境内を見渡すと近くに祠がある。 中に塩嘗(しおなめ)地蔵が安置され、これにも興味深い伝承が残されている。 そして時宗の宗祖一遍上人の銅像がイチョウの木を背にして立っていた。 本堂の右手には庭園があるが、公開されておらず一部が見えるだけである。
 写真は、CANON 5D Mark U・EF24-105mm F4L IS USMおよび EF70-300mm F4-5.6L IS USMで撮影。

 (注1)2018年に金沢文庫で開催された特別展「運慶−鎌倉幕府と霊験伝説」で細部まで見ることができた。


 こじんまりとした山門だが、周りの石垣や生垣などと調和して風情がある。
2012/10/06撮影

 山門をくぐって境内に入り、墓地を見ながら進むと本堂がある。
2012/10/06撮影

 塩嘗(しおなめ)地蔵と六地蔵
 塩嘗地蔵はかって街道沿いにあったものが、明治時代にここに移されたという。
 六地蔵も含めてかなり風化しているように見受けられた。
2012/10/06撮影

 時宗の開祖である一遍上人像
 このときは、イチョウの木の枝が延びて首のあたりに垂れ下がっていた。
2012/10/06撮影

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