光則寺(鎌倉市) 2012年 4月
 光則寺(こうそくじ)は、鎌倉市長谷にある日蓮宗の寺である。山号は行時山(ぎょうじさん)。
 開基は鎌倉幕府第五代執権北条時頼の近臣、宿谷光則(やどやみつのり)、開山は日蓮の高弟日朗である。
 現在は花の寺としても知られる。 特に樹齢200年と言われるカイドウは有名である。
 筆者はそのカイドウの花の時期、4月に拝観した。 1回目は4月9日だったが、肝心のカイドウの花は咲き始めだった。 これでは中途半端で気分的にすっきりしないので、数日後出直してほぼ満開のカイドウを鑑賞することができた。 光則寺は長谷寺の近くにあるが、拝観者は多くなく、静かな環境にある。
 出直した当日(4月13日)は、山門前の桜並木が満開だった。 近くの幼稚園からは子供たちの声が聞こえてきてにぎやかだ。 参道を奥へ進むと山門がある。 ここで入場料として百円を納める。 「光則寺縁起」と「四季の光則寺 山野草と茶花マップ」という資料が用意されている。 このうち「四季の光則寺 山野草と茶花マップ」はB4判の大きな紙に手書き文字でびっしりと草木名が 記入されいるという手の込んだものだ。
 さっそく境内の中に入ると、大きな石碑(日蓮聖人の「立正安国論石碑」)が正面に見える。 たくさんの種類の草木に囲まれた道を回り込むと、満開のカイドウの花と本堂があった。 樹齢200年と言われるだけあって、木も花も量感がある。 この時期はカイドウの花が主役だが、ほかにも多くの草木があって、花好きの人は見あきないだろう。
 背後の崖には、日朗が監禁されていたという土籠が残っている。 こちらまで足を延ばす人はさらに少なく、筆者が訪れた時はほかに誰もいなかった。
 写真は、CANON 5D Mark U・EF-24-105mm F4L IS USMおよび EF70-300mm F4-5.6L IS USMで撮影。


 桜が散り始めた参道。 正面に山門が見える。
 参道には自転車が並んでいる。 隣接する幼稚園に送り迎えする保護者のものだろう。
 それにしても電柱と電線が邪魔だなあ。(写真左)
 朱塗りの山門(上の写真)
 江戸時代(17世紀)のものと言われる。
 門前の枝垂れ桜の花は終わっていた。
2012/4/13撮影

 カイドウの花に囲まれた本堂
 右手のカイドウが樹齢200年と言われる。
 本堂は1650年建立とのことだが、後年の修復のせいか、あまり古さを感じさせない。
 向かって左手の木立の中に、宮沢賢治の詩碑がある。 宮沢賢治がここに来たことがあるということではないそうだ。
2012/4/13撮影

 カイドウの花と本堂に掲げられた「師孝第一」の扁額
2012/4/13撮影


 日蓮聖人の高弟、日朗上人が監禁されていたという土籠(写真上)。
 本堂背後の斜面に切られた石段を登った崖にある。
2012/4/13撮影

 巨大なフジ
 2013年の4月に訪れたときは、カイドウの花はもう終わっていて、 フジがたくさんの花を重そうに咲かせていた。 このフジに藤棚はなく、針葉樹に幹をもたせかけているらしい。 この姿だけ見ると、まるで山の中の野生のフジみたいだ。
 この写真だけ、PENTAX K-5・DA★16-50mmF2.8ED AL[IF]SDM使用
2013/4/21撮影

[TOP]