向嶽寺(山梨県甲州市) 2012年 11月

 向嶽寺(こうがくじ)は、旧塩山市にある臨済宗向嶽寺派の大本山で、山号は塩山である。
 寺の創建は鎌倉時代の14世紀で、開山は抜隊得勝(ばっすいとくしょう)。
 創建当初は少し離れた高森(竹森)にあったが、後に塩ノ山のふもとの現在地に移ったという。
 筆者は、同じ旧塩山市にある恵林寺の拝観後に向嶽寺を訪れた。 拝観者が多く観光地に組み込まれた恵林寺に対し、こちらはほとんど人気がなく、 境内の奥からは読経の声が聞こえていた。 その境内は、塩ノ山の山すそに広がっている。 建築後200年ほど経つという仏殿は、開山堂と一体となった建物で、均整の取れた佇まいを見せていた。 建物の白壁が少しクリーム色がかっているのがいい。 全体に簡素な印象を受けるけれど、花頭窓にはしっかりと装飾が施されている。
 背後の紅葉した塩ノ山とも調和して、なかなかに見ばえのする仏殿・開山堂である。
 写真は、PENTAX K-5・DA★16-50mmF2.8ED AL[IF]SDMで撮影。


 南を向いて建つ外門は県道に面している。 杉木立の奥には中門が見えている。
2012/11/25撮影

 中門
 室町時代の建造物で、国指定の重要文化財である。 向嶽寺は伽藍の多くを火災で焼失しているが、この中門だけが残ったそうだ。 両側に広がる築地塀が美しい。
 中門は閉じられているので、向かって右手にある通用門から中に入る。
2012/11/252012/11/25撮影
 仏殿・開山堂
 内部は公開されていない。
 背後に紅葉した塩ノ山の斜面が見える。
 正面の花頭窓には、しゃれた装飾が施されている。
2012/11/25撮影

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