瑞光山清水寺(島根県安来市) 2009年 10月
 天台宗のお寺で山号は瑞光山と言い、島根県安来市にある。 同名の京都の清水寺が一般的には有名で、 安来市にあるこちらの清水寺のことは、私も最近まで知らなかった。 訪れてみると、大変に大きなお寺で1400年もの歴史がある由緒のあるお寺だった。
 安来駅からバスに揺られて15分ほどで山間のお寺に着く。 さっそく鬱蒼とした森の中へと続く参道に入っていくと、 両側に幟がはためいていて、今も厚い信仰に支えられていることがわかるが、 この日は参拝客がまばらだった。 大門をくぐって、なおも階段を登っていくと根本堂など主要な堂塔伽藍が見えてくる。 ゆっくりと境内を回り、江戸時代後期1859年建立の三重塔に行きつく。 拝観料を支払って中に入ってみる。 暗がりの中を頭上に注意しながら最上階まで登ると、見事な眺望が得られた。
 清水寺は羊羹でも有名で、慈覚大師円仁(*)が伝えたと言われている。 今も4軒の羊羹製造元の直売所が境内にお店を出しているというのがユニークである。 私も帰りがけにそのうちの1軒に入って羊羹を買い求めたら、 お店番のおばさんからお茶を勧められ、ひととき世間話をして過ごした。 こうした素朴な地元の人とのふれあいも、観光寺院では期待できないだけに旅のよい思い出となっている。
 (*)2010年7月9日の朝日新聞夕刊に、円仁の名前が刻まれた石板が中国登封市の法王寺で 発見されたという興味深い記事が載っている。 彼の中国で足跡が確認できる画期的な発見だと言われる。
 写真は、RICOH GX200で撮影。


 駐車場からは、深い緑に囲まれた参道が続き、 途中に大門がある。 両側には幟が並んでいる。
2009/10/3撮影

 根本堂(左)と護摩堂(右)。
2009/10/3撮影

 清水寺のシンボルともいえる三重塔。 お城を思わせる大規模な石垣の上に建っている。 幕末に建てられたもの。 最上層まで見学できる塔は珍しい。
 三重塔正面(上の写真)
2009/10/3撮影
 三重塔最上層からの眺め
 一般の拝観者でも最上層まで登ることができる。 中は狭く真っ暗。 頭上に注意しながら手探り状態で登り、外に出るとまわりの景色が一望できる。
 もともと我が国の三重塔や五重塔は、ストゥーパを起源に持ち、 外から参拝するものだったようだ。 したがって、中に入れてしかも最上部まで登れる清水寺の三重塔は貴重な存在といえる。
2009/10/3撮影

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