覚園寺(鎌倉市) 2011年 12月
覚園寺(かくおんじ)は真言宗泉涌寺派の寺院で、山号は鷲峰山(じゅぶせん)。
鎌倉幕府第2代執権北条義時が建立した大倉薬師堂が前身とされ、第9代執権北条貞時
により正式な寺院である覚園寺に改められた。
現在の宗派は真言宗泉涌寺派であるが、当初は真言、天台、禅、浄土の四宗兼学の道場であった。
覚園寺の場所が鶴岡八幡宮の北東方向の金沢街道からかなり奥に入った谷戸にあるため、
今も静かな環境が保たれている。
拝観は日に数回決まった時間だけ許可される。
時間になるとお寺の方が現れ、拝観者の一団を引率して境内を説明して回るシステムになっている。
まず愛染堂から拝観する。
そして谷戸に沿った地形を奥に進むと、深い木立に囲まれた本堂である薬師堂が現れる。
江戸時代に大修理がされた言われるが、14世紀に足利尊氏によって建立された建物は、
素朴な味わいがある。
その足利尊氏自筆の銘が天井に残っているのも興味深い。
堂内正面には本尊の薬師三尊像があり、左右の壁に沿って十二神将像が並んでいる。
床は土がむき出しの土間で、石は敷かれていない。
建物、仏像すべてを含めて歴史を感じる空間だ。
薬師堂のほかに地蔵堂などの建物がある。
拝観した時は紅葉した木々が境内を埋めていたが、この年(2011年)の紅葉はよくなかったようだ。
台風で木が痛めつけられ、イチョウの木も大きな枝が折れていた。
覚園寺は大寺院ではないけれど、昔の鎌倉の面影を求める人にはお勧めというより必見の場所といっていい。
写真は、CANON 5D Mark U・EF-24-105mm F4L IS USMで撮影。
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山門
2011/12/12撮影 |
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愛染堂と紅葉
愛染堂より奥は、写真撮影禁止となっている。
2011/12/12撮影
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