浄楽寺(横須賀市) 2012年 3月

 浄楽寺(じょうらくじ)は正式には金剛山勝長寿院大御堂浄楽寺と称し、横須賀市芦名にある浄土宗の寺である。 拝観時に渡された資料によれば、1189年和田義盛が建立と伝えられている。
 ここに運慶工房作の仏像があることで知られている。 ただしこの仏像は常時拝観可能ではなく、春秋の1回ずつの一般公開日か事前予約しての拝観になる。
 筆者は2012年に、春の一般公開日にあたる3月3日に訪れた。 土曜日で天気もよかったので混雑を心配し、早朝に家を出て逗子駅経由で浄楽寺バス停に着いたのが10時過ぎ。 正面から境内を見渡すと、普通に町中で見かける寺とさして変わらない。 お目当ての仏像は、本堂の背後に隠れるように建つ収蔵庫に収まっている。 本堂の横を通ってその収蔵庫に向かい、靴を脱いで中に入ってみた。 入口で志納金100円を納めると、解説パンフレットがいただける。 広くはない部屋に、阿弥陀三尊像を中心に不動明王像、毘沙門天像の五体の仏像が並んでいる。 すぐ目の前にあるので、運慶壮年期の仏像を細部まで見ることができる。 阿弥陀三尊像は台座などが後世に補修されたらしいけれど、金色に輝いていて古さを感じさせない。 量感のある体とふくよかな顔が印象的だ。 両脇にある不動明王像、毘沙門天像は迫力に満ちている。 玉眼が見る人を射抜くかのようだ。 ちなみに、阿弥陀三尊像は彫眼である。
 写真は、PENTAX K-5・DA★16-50mmF2.8ED AL[IF]SDMで撮影。


 正面から見た本堂。
 帰りがけに振り向いたら、団体の見学者がガイドから説明を受けていた。
 収蔵庫は本堂の裏手にある。
2012/03/03撮影

 収蔵庫
 運慶工房作の諸仏像はここに安置されている。
 境内には、郵便制度の父と呼ばれた前島密のお墓がある。
2012/03/03撮影

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