医王山神武寺(逗子市) 2010年 6月


 神武寺は逗子市にあるから、鎌倉の枠に入れるのは、行政区画の点からは 問題がある。 しかし、地理的に鎌倉市に近く、歴史的にも鎌倉幕府との結びつきが強いので、 ここでは鎌倉のお寺の一つとして扱う。
 筆者が神武寺を訪れるきっかけとなったのは、 オオミドリシジミという平地性ゼフィルスの産地が、この神武寺から鷹取山 にかけての林の中にあるからだ。 オオミドリシジミの発生時期に合わせて、毎年ではないが6月に何回か 東逗子駅から歩いて神武寺の境内を抜け、鷹取山まで歩いている。 このルートは、ちょっとしたハイキングコースになっているし、 地元の人にとっては散歩道でもあるようだ。 市街地から近いのに、深山幽谷の味わいがある。
 神武寺の境内は、いつも森閑としている。 そして、掃除が行き届いていることにも感心させられる。 神武寺参拝が目的で訪れるのではないけれど、ここを通るたびにひととき足を止めてしまうのだ。
 神武寺は、詳しくは医王山来迎院神武寺といい、今は天台宗のお寺である。 縁起によると、行基が創建したことになっているが、 定かではないという。 その後、鎌倉時代になって、源実朝が参詣したという記述が吾妻鏡にあると言われるから、 けっこう長い歴史があるのだ。
 境内にある説明板には、上記のような歴史とともに、 神武寺の晩鐘が逗子八景および三浦半島八景の一つに挙げられていることがわかる。 残念ながら、私はその鐘の音をまだ聞いたことはない。
 写真は、RICOH GX200で撮影。


 ふもとから苔むした参道を登る。 東逗子駅から大して離れていないのだが、山奥の雰囲気である。 地元の人が定期的に掃除をしているせいか、道はいつも清潔だ。
 この写真に写っている男性も、道を掃き清めていた。
 なお、京浜急行には神武寺という名の駅もあるのだが、メインのハイキングコースから 少し離れているので、筆者はいつもJR東逗子駅から歩いている。
2010/6/4撮影

 六地蔵が迎えてくれる。
2010/6/4撮影

 石段の上には、りっぱな山門が待っている。
2010/6/4撮影

 銅葺き屋根の薬師堂。
2010/6/4撮影

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