厳島神社(広島県廿日市市) 2009年 2011年

 連絡船に揺られて少しずつ鳥居が大きく見えてくるという アプローチの仕方が大変魅力的だ。
 神をいつきまつる島が厳島になったといわれるように、 島全体が神聖視されていたため、 フェリーから見ても神社の背後の山と前の海は昔のままのようだ。(注)
 上陸してすぐに鹿のお出迎えだ。 人と一緒に生活することに慣れているらしく、お土産物店に入っていく鹿までいる。
 そんな様子を見ながら少し歩けば厳島神社である。 寝殿造りのため、普段見慣れた神社の建物とは印象が異なる。 柱など朱色に塗られた部分が多く、大変に華やかに見える。 そのぶん、厳かさには欠けるように思われる。
 このような見事な歴史遺産を見るたびに複雑な思いにさせられるのは、 華やかさの陰で、築造や維持のために流された多くの汗と労苦のことである。

 (注)後日、羽田から宇部山口空港に向かう飛行機から 厳島を見たことがあるが、島の大部分は緑に覆われていた。

 写真は、RICOH GX200およびPENTAX K-5・DA★16-50mmF2.8ED AL[IF]SDMで撮影。


 宮島口から宮島へは連絡船で10分ほど。
 穏やかな瀬戸内海には、養殖筏が浮かんでいる。
 今はこうしていつでもすぐに宮島に渡れるが、昔の人はいくら海が穏やかでも そんなに気軽には渡れなかったのだろうなんて考えているうちに宮島が近づいてくる。
2011/4/12撮影

 厳島神社のある厳島(宮島)は、開発から守られてきたおかげで、 豊かな自然が残っているようだ。 神社の背後の山も昔のままのようで好ましい。
2009/8/28撮影

 海に浮かぶように作られた社殿。 朱塗りの建物は大変に華やかで、平家の栄華がしのばれる。
2009/8/28撮影

 社殿の桧皮葺の屋根の向こうに五重塔が見える。 この五重塔も朱色の彩色が目立つ。
 明治維新より前の神仏習合の時代には、神社に五重塔という組み合わせも 珍しいものではなかったのだろう。
2011/4/12撮影

 桜の花に囲まれた五重塔。 15世紀初め、室町時代の創建といわれる。
2011/4/12撮影

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