平林寺(埼玉県新座市) 2011年 11月
 平林寺(へいりんじ)は、埼玉県新座市にある臨済宗妙心寺派の寺院で、山号は金鳳山。
 14世紀に、さいたま市岩槻区に創建されたのち、大河内松平家の菩提寺となり、 17世紀に現在地に移転してきたという歴史を持つ。
 筆者が訪れたのは11月も最後の日だったが、特に紅葉が目当てというわけではなかった。 ところが、総門から境内に一歩入ったとたん、その紅葉の見事さ、鮮やかさに驚いてしまった。 真っ赤なもみじに埋め尽くされているといっても言い過ぎではない。 寺の建造物に派手さがなく、くすんだ色をしているために、その対比が一層際立っていた。
 総門を抜けると真正面に山門、そして茅葺屋根の仏殿、本堂と 一直線に主要伽藍が配置されているのは、典型的な禅宗寺院様式である。 そしてその奥には、大河内松平家の廟所がある。 それだけではない。 さらに寺全体を囲むように広大な林がある。 かっての武蔵野の面影が残っているので、貴重な存在になっている。 そのため、林は国指定天然記念物平林寺境内林となっている。 面積は、境内全体で実に13万坪もあるそうである。
 平林寺については、関東でも由緒のある寺院の一つとして名前は知っていたが、 これほどまでに紅葉がすばらしいとは予想していなかった。 もちろん紅葉以外にも見どころはたくさんあるのだが、どうしても紅葉に目が奪われてしまう。
 ここで紹介する写真も、紅葉が中心になっている。 他の季節に拝観すれば、また違った面を見られると思うので、いつか再訪したいものと 思っている。
 写真は、PENTAX K-5・DA★16-50mmF2.8ED AL[IF]SDM・DA50-200mmF4-5.6ED WRで撮影。


 茅葺屋根の山門
2011/11/30撮影

 内側から見た山門。
 周りの木々の派手な色合いと対照的である。
2011/11/30撮影

 茅葺屋根が美しい仏殿の正面。
 中には釈迦三尊像が安置されているのだが、外からはあまりよく見えない。 正面から仏殿全体を見ると屋根が大きい。
2011/11/30撮影

 仏殿の花頭窓
2011/11/30撮影

 仏殿の茅葺屋根と紅葉
2011/11/30撮影

 本堂
 禅宗のお寺らしく飾り気のない簡素な造りだ。
2011/11/30撮影

 半僧坊(はんそうぼう)
 鎌倉の建長寺にある半僧坊を勧請したものという。 さらにその源となっているのは、方広寺(静岡県浜松市)の半僧坊大権現である。
2011/11/30撮影

 紅葉した木々に埋もれる鐘楼
2011/11/30撮影

 平林寺境内林の中の遊歩道。
 かっての武蔵野には、このような雑木林がどこにも広がっていたのろう。 ここも紅葉がきれいだった。
 野火止塚(のびどめつか)という興味深い史跡もある。
2011/11/30撮影

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