恵林寺(山梨県甲州市) 2012年 11月

 恵林寺(えりんじ)は、旧塩山市にある臨済宗妙心寺派の寺院で、山号は乾徳山(けんとくさん)である。
 甲斐武田氏の菩提寺として知られる。
 寺の創建は鎌倉時代の14世紀で、開山は夢窓疎石。
 筆者が訪れたのは、2012年11月下旬だった。 紅葉の時期で3連休の最終日あたっていたので、混雑を心配したが、午前中の早い時間帯だったせいか 拝観者はまばらだった。
 県道38号線から参道に入ると、まず総門(黒門)が目に入る。 総門からの参道はほぼ南北に向いている。 落ち着いた杉並木の参道をしばらく北に向かって歩くと四脚門である。 赤門とも呼ばれる檜皮葺の門だ。 ここから庭園の中の道を進むと三門が見える。 三門は楼門形式になっていて、「安禅不必須山水 滅却心頭火自涼」の扁額が掲げられている。 この三門を通って現れるのが、開山堂だ。 背後に見える本堂(方丈)に比べると規模は小さいが、歴史を感じさせる風格がある。 しかし、この場所にはかって仏殿があり、現在の開山堂の建物は、昭和になってから、 境内の別の場所から移築されたものという。
 いよいよ内部に拝観である。 開山堂の右手奥に回ると庫裡があり、そこで拝観料を払ってから内部を回ることになる。 順路に従って歩くと、建物内部だけでなく、武田信玄の墓所や夢窓国師築庭の池泉回遊式庭園を見ることができる。 庭園では、紅葉したモミジがきれいだった。
 写真は、PENTAX K-5・DA★16-50mmF2.8ED AL[IF]SDMで撮影。


 総門(黒門)
 ここから北に向かって伸びる参道は並木道になっていて、四脚門へと続く。
2012/11/25撮影
 四脚門(赤門)
 1606年、徳川家康によって再建された檜皮葺の門。
 国指定の重要文化財である。
2012/11/252012/11/25撮影

 三門
 扁額と右側の石柱に、「安禅不必須山水 滅却心頭火自涼」の文字が見える。
 三門が織田勢に焼き討ちされた際の、快川和尚(かいせんおしょう)の遺偈といわれる。
 元になった句は、唐の詩人、杜荀鶴(とじゅんかく)の「夏日悟空上人の院に題す」である。
2012/11/25撮影
 三門をくぐると正面に開山堂が現れる。
 背後に見えているのは、本堂の屋根。
2012/11/25撮影

 堂々たる構えの庫裡。 築100年あまりとのこと。
 拝観者はここから中に入り、本堂(方丈)、うぐいす廊下、明王殿を回ることができる。
2012/11/25撮影
 本堂(方丈)の背後に夢窓疎石作庭とされる庭園がある。 赤く紅葉した木々が緑の中に鮮やかだった。
2012/11/25撮影

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