円応寺(鎌倉市) 2010年 6月
 円応寺(えんのうじ)は、臨済宗建長寺派に属するお寺である。 山号は新居山。 智覚禅師によって13世紀に創建されたと伝えられているが、建長寺近くの現在地に移ったのは18世紀初めと言われる。
 建長寺から巨福呂坂に続く道路から急な階段を登ると山門がある。 山門をくぐるとあまり広くない境内が見渡せる。 正面の本堂には、本尊の閻魔大王座像と十王像が安置されている。 さっそくその本堂に入ってみると、参詣者は壁面に沿って並んだ諸仏像に取り囲まれるので、 博物館の展示室のような感じを受ける。
 閻魔大王座像は1250年作とされ、笑い閻魔とも言われ、運慶にまつわる興味深い伝承が残されている。 確かにそのように見れば、笑っているようにも見受けられる。 1250年には運慶はすでに没しているので、これは単なるお話だろうが、とにかく見応えの像である。
 本堂に向かって右手には、鐘楼がある。 規模は小さいが、茅葺屋根が古都鎌倉のお寺らしい風情を醸し出している。
 どこでもそうだが、鎌倉のお寺もそれぞれ特色がある。 それが建物であったり、仏像であったり、花であったりする。 ここ円応寺は、閻魔大王像を始めとする仏像に特徴がある。 他の鎌倉の寺院ではあまり見られないものだけにじっくり見る価値がある。
 写真は、CANON 5D Mark U・EF-24-105mm F4L IS USMで撮影。


 山門から本堂を見たところ。
 道路から急な階段を登ってこの山門に達するのだが、 現在の舗装道路が昔の巨福呂坂切通しを深く掘削して作られた際に、 このような不自然な構造になったと想像するのだが、 どうだろうか?
2010/6/20撮影

 鐘楼
2010/6/20撮影

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