大平山長勝寺(青森県弘前市) 2009年 8月
 曹洞宗のお寺で、津軽藩主代々の菩提寺である。
 創建は16世紀初めと言われるが、現在地に移ってきたのは17世紀になってからの ことらしい。
 弘前といえば、リンゴに弘前城の桜、それにねぷたまつりを思い浮かべる 人が多いだろうが、長勝寺の名前はあまり広く知れ渡っているとは言えない。 現に、私がこのお寺を訪ねたときも、時折観光客らしき人たちがやってくる程度で 静けさが保たれていた。 三門をくぐると正面に本堂、右手に鐘楼と庫裏が見え、左手に蒼龍窟がある。 津軽藩主の菩提寺といっても、落ち着いた雰囲気の質素なたたずまいである。 弘前の町と共通する気配といってもよいのかもしれない。 一通り見終わってから、禅林街を歩いて弘前城を目指して歩いていくと、 ちょうどねぷたまつりの準備のために何台もの山車が移動していくところだった。
 写真は、RICOH GX200で撮影。


 杉並木と三十三の禅宗寺院が両側に連なる禅林街。 正面に長勝寺が見えている。 こんな風にずらりとお寺が、 それも同じ宗派のお寺が並んでいる街も珍しいだろう。
 杉並木も見事だが、道路が長勝寺に向かってゆるやかに上下する様子も趣きがある。
2009/8/5撮影

 とち葺き屋根のりっぱな三門。 門の向こうには本堂が見える。
2009/8/5撮影

 元禅堂の蒼龍窟内部。 阿弥陀如来像と薬師如来像、十一面観音像が正面にあり、 左右の壁際に鮮やかな色彩の五百羅漢像がずらりと並んでいる。 建物の外側の禅寺らしい質素な構えとは対照的に色鮮やかな世界である。

 栄螺堂(さざえどう)(俗称 六角堂)
 禅林街に入ると、赤く塗られたちょっと変わった形のこの建物が目を引く。
 内部の通路が巻貝(さざえ)のように螺旋状に作られていて上に登る構造だそうだが、中を見ることはできなかった。
 三匝堂(さんそうどう)とも呼ばれる建築様式で、 1839年に建立されたと書かれていた。
 江戸時代後期に東北・関東で多く作られたとされるが、 現存する建物は数が少ないという。
2009/8/5撮影

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