秋篠寺(奈良市) 2011年 11月
 現在の秋篠寺(あきしのでら)は、単立寺院である。
 奈良時代末期の創建とされ、当初は法相宗であった。
 かっては東西両塔をようする大寺院だったと言われる。 訪れてみると、そんな壮麗な伽藍があったことが想像できない静かなたたずまいで、 「あきしの」という柔らかい響きが相応しい、落ち着いた緑深い境内だった。
 一面に苔が敷き詰められた林を抜けると受付があり、さらに中に進むと本堂があった。 大して大きくもない簡素な建物だ。 堂内は土間になっていて、本尊の薬師如来をはじめたくさんの仏像が並んでいる。 中でも人気があるのが伎芸天である。 全体にふくよかで優美、少し顔を傾けた姿で、いろいろと想像力をかきたてられるような表情である。
 しばし、諸仏像を拝観したのち外に出て、大元帥明王像を安置する大元堂、香水閣を外から見て、 東門を通って境内を後にした。
 写真は、PENTAX K-5・DA★16-50mmF2.8ED AL[IF]SDMで撮影。


 南門
 西大寺から歩いてきたので、この南門から境内に入った。 東門を利用する人が多いようだが、こちらが本来の正門である。
 南門にむかって左側には、八所御霊神社がある。
2011/11/17撮影

 秋篠寺と言えば、伎芸天と並んで苔で有名だ。
 ここの苔を見て、唐招提寺も苔がきれいだったことを思い出した。
 奈良時代には東塔や西塔、金堂が建ちならんでいたわけで、 このように苔が広がったのはかなり後のことなのだろう。
2011/11/17撮影

 鎌倉時代に再建された本堂(国宝)。
 簡素だが端正な美しい建物だ。
2011/11/17撮影

 本堂の前の庭に、鮮やかに色づいたもみじがあった。
2011/11/17撮影

 大元堂
 秘仏の大元帥明王(たいげんみょうおう)像が安置されている。
2011/11/17撮影

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