高尾山の蝶と自然 2011年
1) アカタテハ 3月の高尾山で


アカタテハ
2011年最初の蝶の成虫撮影の機会は、予期しなときにやってきた。 3月下旬、高尾山に登ったのち薬王院境内で建物などの写真を撮っているときだった。 突然アカタテハが飛んできて、傍らのミツマタの花に止まって蜜を吸い始めた。 とっさのことだったので、首から下げていたカメラを向けて撮ったのがこの写真である。
冬に逆戻りしたような寒い日だったが、このミツマタのあたりは風が遮られていたのかもしれない。

2011/3/27 PENTAX K-5・DA★16-50mmF2.8ED AL[IF]SDMで撮影

アカタテハ
上と同じ個体。
もちろん越冬個体だろうが、翅に欠けが見られずきれいだった。 ミツマタの黄色い花と調和して、早春に相応しい組み合わせになったと思う。

2011/3/27 PENTAX K-5・DA★16-50mmF2.8ED AL[IF]SDMで撮影


2) ダイミョウセセリ 日影沢と高尾山麓


ダイミョウセセリ
後翅に白帯のない関東型である。
6月初旬、高尾山に6号路から登って、4号路を経て日影沢に下った。 荒井までの道々、めぼしい蝶がいないか 見回しながら歩いたが、目についたのは、ダイミョウセセリとコミスジそれに ミヤマカラスアゲハくらいだった。

2011/6/03 PENTAX K-5・DFAマクロ50mmF2.8で撮影

ベニカミキリ
上の写真と同じ日、小仏川沿いの道路わきで撮影。 花に群がるベニカミキリの赤がとっても目立っていた。

2011/6/03 PENTAX K-5・DFAマクロ50mmF2.8で撮影


3) オオムラサキ、スミナガシほか 7月の高尾山


オオムラサキ♂
木の葉の上で、オオムラサキ♂があたりを見回していた。 樹液をたっぷり飲んで、一休みしていたのかな。
高尾山山頂で。

2011/7/09 PENTAX K-5・DA50-200mmF4-5.6ED WRで撮影

オオムラサキ♂
上の写真と同じ個体。
カメラを向けている筆者をにらんでいた。

2011/7/09 PENTAX K-5・DA50-200mmF4-5.6ED WRで撮影

オニベニシタバ(蛾の仲間)が近づいて来て、オオムラサキが飛び立った。
幹ではほかのオオムラサキとアカマダラが樹液を吸っている。
高尾山山頂で。

2011/7/09 PENTAX K-5・DA50-200mmF4-5.6ED WRで撮影

樹液には、いろんな昆虫がやってくる。
このときはめずらしくアカボシゴマダラの春型が来ていた。 さすがに翅はかなり傷んでいる。
高尾山山頂で。

2011/7/11 CANON 5D Mark U・EF70-300mm F4-5.6L IS USMで撮影

観察していた1時間半ほどの間に、多い時は5頭のオオムラサキが集まっていた。
高尾山山頂で。

2011/7/11 CANON 5D Mark U・EF70-300mm F4-5.6L IS USMで撮影

ときには、筆者のシャツに止まるオオムラサキもいた。 筆者の汗が気に入ったらしい。
高尾山山頂で。

2011/7/11 RICOH GX200で撮影

7月も下旬になると、オオムラサキの数も減ってくる。
右側の翅を開いているのは、オオムラサキの♀。
高尾山山頂で。

2011/7/23 CANON 5D Mark U・EF70-300mm F4-5.6L IS USMで撮影

上の写真と同じ日、樹液の出ている木のそばの草むらで休む オオムラサキ♀。
高尾山山頂で。

2011/7/23 CANON 5D Mark U・EF70-300mm F4-5.6L IS USMで撮影

7月も終わり頃になると、樹液での主役はオオムラサキからスミナガシに変わっていた。
この写真には、1頭だけオオムラサキ(翅を閉じている)が写っている。
高尾山山頂で。

2011/7/29 CANON 5D Mark U・EF70-300mm F4-5.6L IS USMで撮影
ナナフシモドキ
大師堂を囲んで並ぶ八十八大師御砂踏み霊場の石仏の一つに、 ナナフシモドキが止まっていた。
写真を撮っている間中、このナナフシモドキはほとんど動かなかった。 擬態の例として知られているが、こんな目立つところにじっとしていては、 まずいのでは。
石仏も夏の間は毛糸の帽子がないので、頭が痒いのではと心配してしまう。
お賽銭の1円玉は筆者が置いたものではない。

2011/7/29 RICOH GX200で撮影


4) 10月の高尾山

9月21日に首都圏を直撃した台風15号は、高尾山にも大きな被害をもたらした。
山頂では、樹液を出して多くの昆虫を集めていたコナラが倒れてしまい、 無残な切り口をさらしていた。
この欄で紹介した樹液に群がる蝶の写真は、すべてこの木で撮影したものだ。

2011/10/11 PENTAX K-5・DA★16-50mmF2.8ED AL[IF]SDMで撮影


5) 12月 オオムラサキとゴマダラチョウの幼虫
 2011年も押し詰まった12月末、高尾山に登るついでに、山ろくでオオムラサキの越冬幼虫を探してみた。
 目についたあるエノキの根元で落ち葉をめくると、すぐにオオムラサキの幼虫がみつかった。
 さらに周囲の葉をめくって調べると、合計5匹の幼虫を確認できた。
 落ち葉を一枚一枚めくって調べるのは、宝探しに似て楽しいけれども腰が疲れる作業である。
 筆者は腰痛持ちなので、長時間しゃがんでいると腰が疲れて痛くなってくるのだ。
 結局、根負けしてエノキの根元の半周も調べられなかった。
 写真撮影後、来年無事成虫になって羽ばたくことを願って、すべての幼虫を元の落ち葉の中に返した。
 下の写真はすべて、2011/12/28にCANON EOS 5DMarkU・EF100mm F2.8Lマクロ IS USMで撮影。

5匹の幼虫がいるエノキの葉を集めて撮ったのがこの写真。 どこにいるかわかるだろうか?
位置をわかりやすくするために、上の写真で各幼虫を○で囲ってある。 白丸がオオムラサキ、黄色の丸がゴマダラチョウの幼虫である。 ゴマダラチョウの幼虫が、オオムラサキの幼虫に比べて大きいことがわかる。
下の写真3枚は、ここに写っている幼虫の中から選んで拡大して撮影したものである。
オオムラサキの幼虫
背中の4対の突起が目立つ。
正面から見たオオムラサキの幼虫。 けっこうかわいらしい顔をしている。
こちらはゴマダラチョウの幼虫。
背中にある3対の突起が目立ち、体もオオムラサキの幼虫より太めで大きい。

[TOP]