フジミドリシジミ飼育 2002年


山梨県上九一色村産の卵。直径約1mmの卵だが、白くてよく目立つ。
3月24日撮影

 2002年正月休みに、蝶友U氏に誘われ、山梨県丹波山村後山川にフジミドリシジミの採卵に出かけた。  電車で青梅駅まで行き、埼玉県から来るUさんの車に乗せてもらい現地へと向った。  後山川林道といえば、学生時代の探検部員だったころ何回か青岩鍾乳洞に入るために歩いた道だが、 そのころどんな様子だったかあまりよく憶えていない。  そんなことを思い出しながら、林道の途中の感じのよさそうな所で車を止めて、 斜面のイヌブナを見て回るのだが、なかなか卵が見つからない。  結局この日は数時間粘ってUさんが2卵、筆者は1卵を得たのみだった。  1卵だけではなんとも心もとない。  もし孵化しなかったらおしまいである。
 ギフチョウシーズンの前の3月になって、 そろそろ運動不足を解消するためにどこかに出かけようかと思ったとき、 本栖湖南岸にある竜ガ岳(上九一色村)を登って、 あわよくばフジミドリシジミの採卵もと虫のいいことを考えた。  二兎を追ってうまく行くことはあまりないのだが、 これが幸運なことに短時間で3卵を得たのである。  3月も24日になっていたので、 持ちかえった卵はそのまま部屋に中に置いて孵化を待った。  冷蔵庫から出した後山川の1卵と合計4卵になった。  27日には上九一色村の2卵が孵化。  餌は、上九一色村から卵と一緒に持ち帰ったイヌブナの蕾を餌として与えた。  庭には後山川から取ってきて庭に植えたイヌブナの小木があるのだが、 この頃には葉はすっかり大きくなっていて、 餌として使えなかった。  それにしてもイヌブナの成長は驚くばかりに速い。  あれよあれよという間に葉が大きくなってしまう。
 孵化した2卵は順調に育ったが、 あとの2卵はついに孵らなかった。  4月14日と15日に相次いで蛹化するまで、餌の若葉を採りに二回奥多摩の御岳山に出かけた。  14日に蛹化した個体は25日に羽化。  オスだった。  もう一方の15日に蛹化した個体は29日に羽化。  こちらはメスだった。


終齢幼虫(♀)
4月10日撮影

前蛹(♀)
4月14日撮影

脱皮1日後の蛹(♀)。 体長約11mm。 うしろに脱皮殻が残っている。
4月16日撮影

 左:♂ 2002/3/24採集、2002/4/25羽化  右:♀(裏) 2002/3/24採集、2002/4/29羽化

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