2016年に出会った昆虫
1) 高尾山 2016年6月

アカシジミ
 平地性ゼフィルスのアカシジミは広範囲に生息しているので、ゼフィルスの仲間の中では観察が容易な蝶の一つである。
 だが、私個人の記録を調べてみると、過去にホームページで紹介していないので、今回載せることにした。
 アカシジミの名前は、翅の色に由来しているようだが、実際の色は赤味の強いオレンジ色といった感じ。
2016/6/4  蛇滝コースで撮影 PENTAX K-5・DFAマクロ100mmF2.8
アゲハモドキ
 蛾の一種で、毒を持つジャコウアゲハの雌に擬態しているとされる。 遠目にはジャコウアゲハにそっくりだが、触覚を見れば櫛状で蛾であることがわかる。
 上のアカシジミを撮った場所で、先客が熱心になにかを撮影しているので、 尋ねてみるとアゲハモドキだった。
 この日は、ほかにも多数のアゲハモドキを目撃している。
2016/6/4 蛇滝コースで撮影 PENTAX K-5・DFAマクロ100mmF2.8
ムカシヤンマ
 このトンボは日本固有種で、その名前のように原始的な特徴を持っているそうだ。
 沢のそばで蝶の撮影をしていて、たまたまこのトンボが近くに止まったので数枚撮影したうちの一枚がこれ。
 一見、オニヤンマのようにも見えるが、複眼が黒い。 帰宅後に調べたらムカシヤンマだった。
 高尾山でこのトンボに出会ったのは、初めてである。 次回、機会があったら、もっといい構図で写真を撮りたいものだ。
2016/6/4 蛇滝コースで撮影 PENTAX K-5・DFAマクロ100mmF2.8
ヒメキマダラセセリ♂
 日本では、本州以南に生息していて、高尾山でもそれほど珍しい蝶ではない。
2016/6/18  日影沢林道で撮影 PENTAX K-5・DFAマクロ100mmF2.8


2) 石神井公園(東京都練馬区) 2016年7月


 ルリタテハ
 ルリタテハという和名が示しているように、鮮やかな青色(瑠璃色)の帯が美しい蝶である。
 日本では、北海道南部以南に広く分布し、東京23区内でも珍しくない。 だが、私の経験からすれば、たくさんの個体が同時に現れることが少ないし、どこかに止まっても、樹液以外では、気づかれて逃げられることが多い。 というわけで、これまでも何回か撮影しているのだが、翅が痛んでいたりで、いい出来の写真とは言い難かった。
 今回、石神井公園を散策中に、目の前の木のベンチに止まったルリタテハは新鮮な個体で、 止まっている間、翅の開閉を繰り返してくれたので、ゆっくり撮影することができた。
 なお、この蝶は止まるときに頭を下にする習性がある。

2016/7/7 PENTAX K-5・DFAマクロ100mmF2.8で撮影


3) 蚕糸の森公園(東京都杉並区) 2016年8月


 ゴマダラチョウ
 ゴマダラチョウは、北海道から九州まで広く分布していて、関東では珍しい蝶でない。
 ただ、筆者の住む東京の杉並区では、見かける機会は多くない。 よく訪れる蚕糸の森公園で初めて撮影できたのは、2010年のことで、その後は写真撮影はおろか、はっきり目撃した記憶もない。 ところが、2016年の夏、カメラを持って蚕糸の森公園を歩いているとき偶然ゴマダラチョウを見かけて、 撮影することができた。 それがこの写真である。 つまり6年ぶりということになる。
 同じエノキを食樹とし、近年分布域を広げてきた近縁種のアカボシゴマダラを頻繁に見かけるのとは対照的である。
 昔から生息しているゴマダラチョウが、要注意外来生物であるアカボシゴマダラに負けずに生き続けてほしいものである。

2016/8/10 PENTAX K-5・DFAマクロ50mmF2.8で撮影


4) 哲学堂公園(東京都中野区) 2016年10月


 オオスカシバ
 オオスカシバの漢字表記は大透翅で、分類上はスズメガ科に入り、蛾の仲間である。
 蛾とは言っても、翅が透明(羽化直後は鱗粉がついている)で昼行性。 翅を高速で羽ばたかせて飛び、花の蜜を吸うので、ハチの仲間と勘違いされることが多いと思われる。 筆者もある時期までは、てっきりハチの一種だと思い込んでいた。
 この写真は、哲学堂公園の花壇に植えられたランタナの花で撮影した。 待っていると、次々にやってくるのだが、撮影した写真をチェックすると、オオスカシバ以外に、 近縁橦のヒメクロホウジャクやホシホウジャクが混じっていた。 これら2種の飛び方はオオスカシバとそっくりなので、まぎらわしいが、翅が透明ではなく胴体の模様も異なるので、 注意深く観察すれば区別できる。

2016/10/04 PENTAX K-5・DFAマクロ50mmF2.8で撮影

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