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<攻略> コンデンサー回路の攻略法:
コンデンサー回路の問題では,まず並列,直列の式が使えないかどうかを検討する。この方法がだめな場合は,次の(a),(b)のいずれかの方法で考えていく。
コンデンサー回路問題では,直列,並列の関係を使って解くのが最も簡単である。しかし,こうした考え方が適用できない場合は,より一般的な方法で解くしかない。その最も標準的な解法が,キルヒホッフの法則と電荷保存の法則を利用する方法である。また,キルヒホッフの法則と内容的には同じなのだが立式の形を少し変えた方法とし,電圧の代わりに電位を使って電荷を表す方法もある。
まずスイッチの切り替えを行う前の状態で,コンデンサーの接続部分の極板(図1の青色部分)に注目し,その帯電量を書き込む(図1の,)。この場合,各極板の帯電量には正負の符号をしっかりと明記する。これを間違うとコンデンサー接続部分の帯電量和が違ってくるので,答が全く違ってくることになる。
次にスイッチを切り替えたとき,接続部分の極板の新しい帯電量(図1の,)を仮定する。この,の正負は計算によって判明するのであって,現段階では不明である。したがって,,など,全く好きなように仮定しておけぱよい。よく,電池の正極につながった極板には必ず正電荷が帯電すると決め込んでいる諸君があるが,必ずしもそうなるとは限らない。直接続部分の帯電量和の値と電池の起電力によって,の正負が決まるのである。だからこそ,,の正負は正しくつけておかたくてはならたいのである。
,の正負は明らかではないが,立式の段階ではこれらはいずれも正の値という前提で式をたてていく。この仮定の下で,各コンデンサーの電位の高低がはっきりわかるように,図1に赤い破線で示したような三角形を描いていくとよい。三角形の広がっている方が高電位,三角形の先端の方が低電位と考え,時計回りでもよいし反時計回りでもよいから,三角形の向きにしたがってをつけながら,各素子の電圧をすべて合計する。そして,その合計がとなるとおいていけばよい。たとえば図1の破線矢印の向きに合計する場合,
一方,,のコンデンサーの極板間は空気などの絶縁体で満たされていて,互いに相手極板との間で電荷の移動は起きない。つまり接続部分(図1の青部分)につながれた,の極板は回路的に孤立しているのである。したがって,スイッチの切り替えで各極板の帯電量が変化しても,この接続部分の帯電量和は不変である。
着目極板の帯電量=容量×(着目極板の電位−相手極板の電位)
この方法を用いたコンデンサー回路の解法は次の手順で行う。
まず,コンデンサーの接続部分のはじめの帯電量を,を付けて明記する。
電位で考えていくので,電位の点を決める。問題に接地点が記してあればその点の電位をとし,接地点が記してない場合は適当に自分で仮定する。この接地点を基準にして,判断し得る点の電位を書き込んでいく。
次に,スイッチの切り替えなどによって生じる新しい帯電状態を接続部分の極板について,などと仮定し,同時に接続部分の電位も仮定する。前述の(a)と同様に,現段階では,,の正負は不明である。
このような仮定の下に,上に述べた方法で接続部分の極板の帯電量を表していく。
そして最後に,接続部分の電荷が保存されていることを表す式を立てる。