自由落下する2球の衝突


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 今年度の千葉大の問題に、2球を重ねて鉛直に落下させたとき、もっとも上昇させる条件を考察させる問題が出題されました。どのようなとき上の球は高く上がるでしょうか? 直感的に考えても分かると思いますが、下の球の質量が大きいほど、言い換えれば上の球が軽いほど上の球は高く上がります。また、下の球が床に衝突した直後に2球が衝突するとき、上の球は高く上がります。
 このことは下のアニメでも確かめられます。質量比や2球の初期位置をいろいろ変えて試してみて下さい。
なお、質量が同じ球が弾性衝突(e=1.0)すると、衝突によって速度交換が起きます。したがって衝突後、上の球と下の球の速度が入れ替わり、上の球の運動を下の球が受け継ぎ、下の球の運動を上の球が受け継いだような運動が続きます。この様子は、質量比=1.0、e=10.として、アニメ右段のグラフを見るとよく分かります。このグラフはy〜tの関係を表し、入試にも比較的よく取り上げられます。参考にして下さい。

詳解

このシミュレーションはかなり重くなっていますので(改良が今後の課題)、cpuクロクック数の小さい機種では動きがぎこちなくなる可能性があります。また、近似計算をしていますので、場合によってはばらつきもあり得ます。
操作法:
  1. 2球の初期位置を変更する→「reset」を押して動きを止め、移動させたい球をドラッグ→「start」を押す。 <
  2. 2球の質量比を変更する→「reset」を押して動きを止め、「m-green/m-red」のテキスト欄に1〜100の間の数値を入れてリターンキーを押す。数値が10以上のとき、green球の方が大きいことを意味します。→「start」を押す。 >
  3. 2球間のはね返り係数は、スクロールバーをスライドさせて下さい。なお、球と床面との間のはね返り係数は1.0に設定されています。
注:衝突のタイミングによっては、衝突後の速度が全くトンチンカンな値に計算されることがあります。この場合は、e=1.0としておいて、「Total」(これは2球の力学的エネルギーの和を表す)の値が衝突しても変わらない位置に2球の初期位置を設定し直して下さい。弾性衝突ではエネルギー保存が成立するからです。