円形レールの中心Oより下方を運動中に、小球がレールから離れることがないことは自明であろう。したがって、O点よりの下の位置から小球を放した場合、小球は円形レールから離れることなく、レール上で往復運動をする事になる。円形レールの中心Oより上方から放した場合に、小球がレールか離れる可能性がある。
いま図において、円形レールの最下点からはかって高さの位置から小球が落下を始めたとする。このとき円形レールの最高点Pを通る鉛直線からはかって角
における小球の速さ
は、力学的エネルギー保存則より、
よって小球がこの位置でレールから受ける垂直抗力は、垂直抗力、重力、遠心力による半径方向のつりあいより、
上式が、小球がレール上の任意の位置においてレールから受ける抗力の一般式である。
この垂直抗力が小さいほど小球はレールから離れやすいことを意味し、その位置は上式より
となる位置、すなわちレールの最高点Pであることが分かる。したがって小球がレールに沿って完全に一周するためには、最高点Pにおいて垂直抗力が
以上であればよいので、
で
とおいて、
であればよい。(
の点が点アである。)
つぎにレールから離れた小球が、その後放物運動してレールの中心Oを通る条件について考えてみよう。
小球がレールから離れる点をQとする。点Qでの速さをとし、レールから離れてから中心Oに達するまでの時間を
とすると、水平方向、鉛直方向にそれぞれ放物運動の式を立てて、
一方式で
とおいて、
(4)と(5)より、
これをに代入して、