1次元物体の横波共振シミュレーション

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 物体に外部から振動が加わったとき,その物体がもっとも振動しやすい振動数を固有振動数といい,すべての物体には固有振動数が存在します。両端を張った弦などの固有振動数は,弦に定常波ができるときの振動数がその弦の固有振動数にあたります。
 ビルなどの建物にも固有振動数があり,地震が起きたとき,その地震動の振動数にビルの固有振動数に近い成分が含まれているとき,このビルは大きく揺れることになります。
 本シミュレーションでは,1次元物体(弦など)の一端に横波振動を与えたとき物体が振動していく様を,あたかも地震によるビルの振動に模してシミュレートしたものです(実際のビルなどの振動ではいろいろな要素が絡み,簡単ではありません。むしろ棒の横振動(たわみ振動)と近似すべきと思われますが,本ページではあくまでも「共振」現象をテーマにしています)。

 物体の下端(地面?)の振動振幅は小さいのに,共振を起こすと灰色の柱(ビル?)は大きく揺れだします。このとき,下端の振動振幅は物体の最大振幅に対して非常に小さいので定常波の節に,また物体の上端は自由に振動しますので定常波の腹になります。すなわち一端が節,一端が腹の定常波ができるわけです。中央図は左図の1.5倍の長さになっており,右図は中央図と長さは同じですが復元力は中央図のものの半分の値になっています(したがって2つの固有振動数は異なる)。振動数をいろいろ変えてみて,振幅の違いを確認してみて下さい。
 下段のボタン列にある「地面振動数??」にチェックを入れてみて下さい。3つとも大きく揺れだします。さて,この場合の地面の振動数はどのようなものなのでしょうか? 考えてみて下さい。答は,本ページの最後に書いてあります。

操作法:「Start/Stpo」ボタンで振動が開始します。振動数は,スクロールバーで変更できます。3本の柱の基本振動数は,およそ表記(上図左方)のようになります。これらの値を3倍した振動数で振動させると,1/4波長が3個の定常波となります(3倍振動)。
 【注】「抵抗有り」にした場合,速度に比例する抵抗力が働きます。その比例定数は0.1にしてあります。


「地面振動数??」の振動数: 答。それぞれの基本振動数を3つとも含む振動を与えています。