波の分散


分野別一覧へ     トップページへ
一般に波動では、波の伝播速度はその振動数、波長によって異なります。このように波などの振動に関する物質定数が,振動数によって変わる現象を、分散と言います。例えば,光をプリズムに照射すると、プリズムを通った光は7色に分かれます。これは光波の屈折率が光の波長によって違う(つまり光速が異なる)からです。
波の伝播速度が振動数によって異なる2つの波が重なると、一般に複雑な振動が出来ます。下の動画では、2つの波の振動数と波長がいろいろ変えられるようになっています。(v2-v2)/v1の値は2つの波の伝播速度(位相速度)の差の割合を表します。これが「0」の場合は、2つの波の伝播速度が同じことになりますが、それでも振動数が異なると振幅が周期的に変化していることが分かります。もしこれが音波であれば、この音波を聞くと音波の振幅が周期的に大きくなったり小さくなったりしますので、要するにうなりが観測されます。
また、下の「Amplitude」にチェックを入れて下さい。波長(λ2-λ1)/λ1)や振動数( f2-f1)/f1)を変化させると、振幅(Amplitude)が大きいところが周期的に出来ており、一つの波のかたまりのようなものが出来ています。この波のかたまりを「波束」と言います。この波束が移動していく速さは「群速度」と呼ばれ、合成波の細かい振動が移動していく速さ(「位相速度」という)とは全く異なります。分散がなければ、群速度と位相速度とは同じ値になります。

分野別一覧へ     トップページへ