夢の中だけの関係では終わらせやしない






ジントニック依存症









彼女に触れようとすると、何時もそれは叶わない
近くにいる様でとても遠い彼女の存在

縮まる事を知らないその距離に、悲しさだって覚えた事がある

けど
どんなに足掻いても苦しんでも嘆いても
何も変わらない現実に正直、飽きてきている

彼女の側に居られればどんなに楽しいのだろうか
世間の話をしたり誕生日のプレゼントは何がいいとかデートは何時にするとか
普通の恋人同士の様に話す事が出来ればいいのに

彼女は別の次元の住人
そして俺もまた、彼女から見れば別の次元の住人である

けして交わるという事が無い次元
何故俺は、彼女にこの気持ちを抱いてしまったのだろうか

彼女の事を考えるだけで楽しくて、それと同時に悲しくて
自分らしくない


「どうしたノクト」

不意にそう彼女に呼ばれはっとする。
考えに耽っていた所為でどうやら彼女の言葉に気が付かなかった様だ

心配そうに言葉を掛けてくれる事を無視して無理矢理彼女を抱き寄せた
当然訳の分からない彼女は一瞬驚いた様子であったが直ぐに大人しくなってくれる。

「少しだけ、こうさせてほしい」

俺の言葉に彼女は無言で頷き身を任せる
きっと起きてしまえば彼女のこの温もりは無くなってしまう
それが嫌で、消えない様に無くならない様に彼女を抱きしめる

愛しい愛しい、彼女さえも自分の前から姿を消してしまう
元から何も無かったかの様に真っ白に

「ライトニング…」

「どうした?」


愛している



目が覚める前
彼女は何て言ってくれただろうか
聞き取れなかった自分を呪い、重い身体をベッドから起こす
気だるいというのだろうか
目覚めは良くないものの朝が訪れる

そして時間が過ぎればまた夜になり
夢の中で彼女と会う事が出来る

それは夢の様で現実の様でとても不思議なものである。
これが神様とやらのせめての慰めというやつなのだろうか


彼女と現実で会えない分
俺は何度でも彼女に伝える

俺の気持ちを



彼女はどう思っているのだろうか
俺と同じ思いだと、嬉しいのだが


―――――
ライトさんを好きで好きで仕方ない王子
ライトさんも王子と同じ思いだといいなとか
短いのは途中でデータが消えた所為だったりする←
でも王子はライト依存症だからきっと現実に現れるはz((


2010.3.16





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