TOKIのわがまま

〜 第90回 〜

<2002.3.24 公開>

 

経験が邪魔する
会社の中で、4月より人事移動を受ける。 今までにも小さな移動は経験している。 だけど、環境や仕事で必要な知識の基本は大体同じだった。 だけど、今度は半分同じで半分がまったく新しいものになる。 日が近づくにつれて不安も大きくなって来た。

経験が浅いままだと、今回の移動に対してそんなに不安は無かっただろう。 今あるものが小さいのならから、今度行く場所で出来なくてもこんなものとある程度割り切れるかもしれない。 だけど、10年以上同じ仕事をしてくると、それなりに知識もあるし、部分的には自信のあるものもある。 だけど、移動によってなんとか築いて来た足場が崩されてしまうし、ZEROになってしまう。 すべてがまったく変わってしまっていたらあきらめもつくのに、中途半端に今後も必要な技術があるから、そのギャップに悩まされてしまう。

新しいことを覚えることが、自分のためになるはず。 そういう思いもあるのだけど、やっぱり不安だ。 人間関係も1から、仕事も1から。 いっそのこと、会社を辞めてしまって自分のしたいことを1からやった方が、もっと自分のためじゃないのかなって思うこともある。実際のところ、会社を辞めて新しいことをするのは、今が最後のチャンスかもしれない。 だけど、辞めてまでしたいと思う仕事が思いつかない...

今はまだ今度の仕事がちゃんと見えていないから、不安で一杯。 最初は大変かもしれないけど、数ヶ月後にはなんてことない、悩んでたことがバカらしくなっているかも。 今までの経験だけにすがっていくのは、確かに間違っている。 

だけど、やっぱり不安なのだ。
2002.3.24

 

結婚退職
「会社を辞めたいから結婚する」という考え方はあまり好きではない。 だけど、まったくわからなくもなくなってきた。

会社を辞めるためだけに結婚相手を必死で探して結婚するのは、あたしは嫌だ。 自分の納得行くだけの仕事をして、これで満足と思って、じゃもう結婚しようかなというものならわかる。 だけど、仕事も中途半端、このまま辞めても誰も困らないのなら、最後くらい華やかに辞めてやるってのは、どうなんだろうか。 それだけの情熱があるんなら今がんばればいいのに。
 
ある程度働いてくると、どんなにがんばっても昇格も昇給も、スキルアップさえ今のままでは望めないと感じてしまう。 すると、会社を辞めたほうがいいなと思う。 とは言うものの、新しいことを1から始めるのはかなりパワーがいる。 本当にやりたいことがあれば良いんだけど、特にない場合、同じ1から始めるんなら、新しい生活を始めた方がいいかなぁとちょっと思ってしまう。 年齢が高くなればなるほど、結婚退職ってすごく魅力的に見えてくる。

それでも、自分自身、結婚退職に気持ちがなだれ込めない。 本当に好きな人がいて、この人ならって思えて結婚することが、たまたま退職も含んでいたのなら仕方ない。 自分の人生設計で、ここで結婚しておきたいというのも、子供を産むことを考えると、まぁわかる気がする。 だけど、退職がメインで結婚するのは違う。 あくまでも結婚することがメインでありたい。

とはいえ、そうそう考えてられる余裕はないんだけどね。
2002.3.24

 

時間が流れる
数年前から、自分の中の時間が動き出した。 時間は何時でも流れている。 だけど、実感として感じている時間は人それぞれ。 10年近く自分の中では時間が止まっていた。

この10年間は年齢的にかなり貴重な物のかもしれないけど、あたしには不用だったみたい。 周りが変わっていくのを判ってはいるんだけど、自分の中にまで影響を及ぼさなかった。 ただひたすら、自分の中をしずかにゆっくりと整理するだけだったかも。

年が過ぎていくのは早い。 自分も年を取って行く。 なのに、意識の中ではずーっと20代前半のまま。 年を取っていることに気がつかない。 遠くのほうでは判っているんだけど、自分の実感として沸いてこない。 そんな中でも、やっぱり、気付く日が訪れる。

周りはかなり結婚して、子供が写った年賀状が届く。 それぞれが自分の家庭を持って、家庭を中心に生活している。 職場でも、上にいるはず女の人が減ってきて、自然と上に上がって行く。 気付けばあたしは一人。 いまさらあせっても仕方がないんだけど、時間の流れの速さにやっと気がついた。

もったいないことをしたのかもと思うけど、だけど、やっぱり不用だったかも。 自分自身が不安定なまま、時間や周りに振りまわされていたら、壊れてしまっていたかもしれない。何とか安定し出した今なら、なんとかやって行けるかも。

不安なことは今でも一杯あるんだけど、大丈夫、なんとかなるさ。 10年近く自分の時を止めてしまったものに比べたら、なんてことない。 失ってしまった時間は無駄ではない。 あたしのためには必要だったのだから。
2002.3.24

 

[History]


http://www.ne.jp/asahi/toki/times/ 
Update : 2002/04/06.