〜 第58回 〜
<2000.12.24 公開>
人の名前 |
人には何かしら名前がつけられている。 大抵は1つだけど、人によっては本名、芸名、作家名など使い分けている。 もし名前がついていなかったら、話をする時に誰のことかうまく伝わらない。 名前を持つことで、人としての存在感が強くなる。 舞台やドラマでも、名前のある役と通行人Aとでは客の見方が変わってくる。 又、小説、特に妖精や精霊なんかが絡むと名前は相手を束縛する、かなり重要なものとして扱われている。 名前を教えることは忠誠を誓うことと同じ扱いで、簡単に本名なんて教えてはもらえない。 占いでも名前が人生を左右する。 名前の持つパワー、画数や音の響き、漢字一つで運命が変わってくる。 子供の名前をつける時に慎重にならざるをえない。 100%の確立でもないけど、命名次第で、運・不運が決まってしまう。 あとあと名前が悪いとなったら、親として責任を感じてしまうかも。 運が悪いからと言って、大きくなってから手続きを経て改名する人もいるし、一時的に名前を変える人もいる。 効果の方はそれでも100%とは言えないけど、うまくいっている人はいるから気休め的なものとも言いきれない。 あたしの場合、姓名判断は最悪、大凶となっている。 だけど、本当に不幸な人生を送っているとは思えない。 人間関係での苦労は多いみたいだけど、その分なんらかの形で運はもらっている。 今の状態が大凶ならそれはそれでいいんじゃない。 これ以上悪くなることはないんだから。 |
ガラスの10代 |
10代、特に中高生の犯罪が増えてきている。 ちょっとしたことで、壊われてしまうほどナイーブな時期で、壊れてしまうとその破片で回りにいるものまで傷つけてしまう。 「ガラスの10代」って言葉、聞き流してしまうにはちょっと惜しい。 小学校までは誰かと比べられることが少なかったけど、中学に入ると成績によって人としてのランク付けが始まり、偏差値なんて訳わかんないものに人生が振りまわされる。 クラブにはいっても、楽しむことより勝つことを目標にがんばれと言われる。 それまでは何も考えてなかったけど、仲の良かった友達を敵であるかのように扱うように周りにそそのかされる。 もしかして、あの子も心の中では敵だと思っているのかな?なんて考え出すと、人を信用できなくなってしまう。 あたしの10代に比べたら、今のほうがもっと厳しい。 「いじめ」は昔もあったけど、今ほどシビアじゃない。 昨日までの友達が前触れもなく敵になる。 いろんなストレスが誰かをいじめることでしか発散できないなんて... 「いじめ」をしていた人や見て見ぬふりをしてきた人は、「昔の話。 忘れたら良いんじゃない?」と簡単に言う。 いじめられた人のことなんて、結局わからないし、気にもかけてない。 自分がいじめられなかったらそれで良いみたい。 当時、「人類滅亡」を希望していた人もいるけど、自分で何かするほどのものはなかったし、常に人を殺したいと思っていなかったように思う。 最近は人を殺すことに罪悪感がない人が多くなってきている。 周りにいる人を人として認識していない? いなくなっても大した事がない、相手に対して価値観がないからゴミを捨てるように人を傷つける。 社会が変わって、教育が変わって、親がもうちょっと子供にたいして自信を持てたら、10代は迷いながらも無事大人になっていけるのだろうか? すべての10代が危険思考に走っているわけじゃない。 また、迷うことは間違っているわけじゃない。 ただ、深刻過ぎる悩みを一人で抱えるんじゃなくて、信頼して相談できる人に話出来る環境が必要かもしれない。 「ガラス」だって壊れなきゃ他の人を傷つけないんだから。 |
21世紀の扉 |
あと数日で21世紀。 街中やメディアで「さよなら20世紀」を強調している。 20世紀を代表する何かの特集は多い。 20世紀をまるまる体験してきた人が決めるのならわかるけど、半分も体験していない人が決めるのはちょっと変な感じ。 日本で言えば、前半部は世界戦争、中間部は高度成長期、後半はバブル崩壊による不況なのだろうか。 でも取り上げられているものは、ここ10年くらいのものが多い気がする。 確かに激変なのだろうけど、それぞれの10年間を振りかえるとその中にも印象的な出来事は詰まっている。 21世紀は、昔は未知の世界だった。 何が起こるかわからない、SF小説で取り上げられているようなロボットやアンドロイドがいる世界になっているのだろうか。 まじかに迫った現時点では、さほど生活が変わるほどの発展はない。 この先100年もあれば、空想がもっと現実に近づいてくるかもしれない。 夢の機械だったコンピュータが現実に家庭に普及して、SF小説においては科学技術的な空想の範囲が狭められているそう。 たぶん、生きている間には激変するほどの変化はないと思う。 今後、21世紀での体験が20世紀よりも多くなっていく。 何かが変わる予感もあるけど、あたしの周りは変わらないと思う。 だけど21世紀の響きは興味深い。 |