盆の月 木津川
かえり道
まる顔のお月さんがついてきます。
信号待ちをしても 歩道橋を渡っても
本屋をのぞいても たばこ屋の角を曲がっても。
「お月さん、どちらへ?」
「はあ、ちょっと、妹に会いに・・」
「あ、妹さんに」
道は坂になって のぼると池の土手に出ます。
チリ・・と、まばらな虫の音です。
「はあ、あなた、妹がいました・・」
嬉しそうなお月さん
池のおもてに お月さんの妹が ゆらゆら笑っています。
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