My cat boy    5/25         HOME TOP  

  

 

   neko

 

 

ちなみに彼の出品作のタイトルは

「猫はどこにいった」です。

 

 

 

 

 

 

 

猫なんか背負って、どこへ行くの?」

「さて、どこへ行くかな、

猫のシッポが指すほうに歩いて行くのさ」

 

線路沿いの小径を夫さんがリリィを背負って歩いた。 

「リリちゃん、いいぞ、いいぞ」

カメラマン、池田さんがリリィに声をかけながら撮影する。

わたしは写らない距離をとって、

リリイの首に結んだ紐を持ってついていく。

紐は目立たない迷彩色の糸で、前日、編んだのだった。

 

主役のリリィが、わけの判らないうちに写しちゃえ、という

ことで、ぶっつけ本番ではじめたが、

リリィがキョトンとしているうちに撮影は終った。

動物にとってこういうスタイルって、あんがい気持ちが落ち

つくのかもしれない。

 

秋に六本木美術館で開かれる「六本木クロッシング」という

展覧会のカタログのための撮影だった。

「作家近影」は作家の手持ちの写真で済ませることが多いの

に、写真家を派遣して、出品作家40人の、いかにもその作

家らしい写真を撮らせるという、主催者のこだわりに応え

た、彼のパフォーマンスだった