「そんなに見てても、今日は走らねーぞ!」電機と同様に、老整備士の機嫌も悪かった(笑)

             越後交通長岡線を訪問してみて、貨物取扱量に対しての鉄道施設の過剰さには驚いた。
             というよりも、旅客営業をしていた頃の施設が、来迎寺〜西長岡間には、そのまま残されていた。
             電気機関車は4両現役だったが、晩年は調子が芳しくなく、騙し騙し使っていたようである。
            
             昭和48年〜平成7年の長期間に渡り、貨物営業のみで存続した地方私鉄は、
             貨物専用線や臨港線を除き、他に例を見ない。
             積雪地帯という地域性と道路整備の遅れがあったこの地方で、
             冬季燃料の確保を確実のものとする為に、鉄道の長岡線が必要とされてきたのである。
             
             西長岡構内を望む信濃川の堤防に立ち、ふと思いを馳せた。
             この川を越え、もし長岡駅と接続されていたならば・・・
             堤防の下で途切れている線路を見ながら、そう思った。

             後に廃止となる新潟交通と同様、川を越えられなかった時点で、
             この鉄道の行く末は、すでに決まっていたのかもしれない。
             
             どこか切ない思いを胸に
、越後交通長岡線を後にした。

END



越後交通 長岡線No.5