3D CG No.10 「ワインディング」

 「でか四駆」と「スポーツカー」を走らせたり並べて絵にしたりするのに使えるんじゃないかな、と思って作りました。

 作ってみたら、レンダリングに時間がかかりすぎるのでアニメーションにするのは少し無理があるのではないかな、と思っています。

 気が向いたらアニメーション化、やります。

 

 基本的には「車をドリフトさせながら走らせる」事を目標に「絵になる風景」を作ろうとしました。背景を海+空にしたら、変に美しい絵になりました。偶然です。

 さて、ここまでの制作過程を簡単に紹介します。

 最初に、斜面ブロックの下のラインを決定。これに対して、歩道・縁石ブロック・車道・ガードレールを掃引して道路を作成。この時に、基準線をRの内側になる方にとった方が作成しやすいです。今回の場合、レンダリング画面では一つのカーブしかありませんが設計上は複合コーナーになっています。この下側のカーブは掃引する部分(道路とか)はカーブの内側になるのでこの半径を小さくすると正しい形状で作成されない場合があるようです。各掃引体は基準線の始点(書き始めた方)に合わせる形で断面を作成し、掃引します。この断面は閉じた(開いた)線形状にしておく必要があります。各パートに表面材質を設定して道路は完成。

 次に作成したのが斜面ブロック下の線は先ほど使用した基準線なので、「自由曲面」パートを作成して、その中に基準線を複写。さらにそれを同一パート内で複写して、斜面の上側のラインまで直線移動。ここで、レンダリングを行い、道路と傾斜のバランスを確認しておく。

 出来たら別自由曲面パート内に対して、斜面ブロックの上の線の始点部分に天端押さえコンクリートの断面を作成して、斜面ブロックの上側の線形状を基準として掃引する。

 山は、上・下共に隣接する線形状を複写して自由曲面を作成。表面材質を設定して完了。

 

 次に、斜面ブロックの表面材質を設定します。

 ここでは、「テクスチャーのバンプ」の機能を利用して表面にブロックが張ってあるような感じを出したいと思いました。そこで、左のような絵を「アドビ・イラストレーター」を使用して作成。BMPとして保存してテクスチャーに利用しました。設定は
 マッピング=9.00/貼り付け方向=X です。

 なかなか、うまいこと感じが出なくて、苦労しました。

 ここまでで、自分的にひっかかっている事は「ガードレールの支柱が無い」事。
 でも、これは多分、最後まで作らないと思う。なぜなら、画面上のモデリング状態では曲線がキレイに表現されていないのでガードレールが「平面的にどこを通過するのか分からない」からです。CADで下絵描いたら正確な位置関係がつかめるのでしょうか?はらほろひれはれ〜

ーーー よし、続きを作ろう! ーーー

 何となく、絵が寂しい感じなので、谷側に駐車場を作ることにしました。

 先に作った道路の自由曲面の長手側の要素を1本複写して基準線として利用することにします。ここでは、谷側の上の開いた線形状を基準線に選びました。
 複写した基準線を変形して駐車場〜右下へ抜ける道路を作成します。
 縁石やガードレールも同じように掃引して作成。重なる部分を削除します。

 この時に、アスファルトだけ、十分に重複するように削除するようにします。(一体化です)

 この駐車場は、一段低い位置に出来ているので道路との間には斜面が出来ます。
 現在は以前に作った斜面に食い込ますように駐車場を配置してあります。

 上の状態でレンダリングした物です。駐車場の山側は山に食い込んでいるので隙間はありません。しかし、駐車場に降りるスロープと山肌の間に隙間が出来ているのが影を見ると分かると思います。
 これでは、ちょっと困ります。当然、駐車場が宙に浮いているのも問題ですよね?

 つぎは、この形状にあった山肌を整形してみましょう。

 駐車場も少し整形するかも知れません。

ーーー んん〜がんばって、続きを作ろう! ーーー

 一旦、道路より下になる部分の斜面を削除。新たに作り直すことにしました。

 最初に、駐車場と道路の間になる部分を作ります。
 作り方は一つの自由曲面内に道路の端(右の絵で言う上側)の形状をコピーした物と駐車場の端(同じく下側)をコピーした物を配置してやると、その間に面が形成されます。

 さて、ここで注意点。
 方法は色々あるでしょうが私が躓いたのは上の線形状と下の線形状のコーナーポイントの数が異なった点。エラーなどは出ないため一見正常に面が形成されたように見えますが実際にはまともな物は出来ていません。そこで、上下の関係を念頭に置きながらコーナーポイントの数をあらかじめ合わしておきます(自由曲面パートに入れる前にですよ)。こうすれば、一発で美しい面が作れます。

 次は、駐車場から下の部分の斜面を作りましょう。

 道路・駐車場間の斜面を作ったときと同じようにまず既設の形状に接する線を複写します。
 今回は1つの形状だけではないので[記憶][追加]ボタンを使って線形状を作ります。このときに線には「始点」と「終点」があり、「記憶された線形状の始点が延長される線形状の終点に接続される」事を覚えておきましょう。と、言っても見た目にはどちらが始点でどちらが終点かはわかりません。よって、作業としては
「1.とりあえずくっつけてみる」
「2.おかしくなったら作業を取り消して元に戻す」
「3.適当に「逆転」を使って始点終点を入れ替える」
「4.また、くっつけてみる」を繰り返すことになるでしょうか?
 なんとか、思い通りの線形状が出来たら「記憶」した方の線形状は削除しておきましょう。そうです。この作業は「記憶」したパターンを他の形状に「追加」するものであって「結合」するものではないのです!

 蛇足ですが、同じ[記憶]を使った編集に[記憶]→[適用]という物もあります。これは、ある線形状を記憶された線形状に「変更」するもので、場合によって(作業手順によって、かな?)かなり便利な機能です。私は「スポーツカー」の作成時に多用しました。

 上の項目で作成した線形状を自由曲面内に入れて、さらに同パート内で複写→直線移動で下方向に掃引したような自由曲面を作成しました。

 ここは、簡単ですね?

 後は、作成された自由曲面をいじくり倒して山っぽい形状に整形したらとりあえずモノになるのではないでしょうか。コーナーポイントを移動してカーブハンドルをいじくり回してみましょう。必要に応じてコーナーポイントを追加してやりましょう。なかなか思い通りの形状は表現できませんが、そこはセンスの問題です。

 あっ、センスがないの、ばれた・・・

 

ーーー もう少しで完成。さぁ、続きを作ろう! ーーー

 山肌の凸凹の感じがあまり表現されにくいのでとりあえず駐車場の下の斜面を一部、ブロック積に変更しました。

 作業としては、上の作業で駐車場の下に斜面をつくった時と同じようにします。
 まず、前回に使用した掃引の基準線(駐車場の際の線)を複写して、駐車場の周囲だけを残して削除。それを自由曲面パートに入れて複写・直線移動を使用してブロックの形状を作成します。

 次に、前回に作成した斜面の駐車場部分を取り除く作業になります。
 「ブラウザ」ウインドゥの中で対象の自由曲面パートを選択して「右クリック」→「切り替え」を押します。今まで、表示されていたのは縦断方向の線形状でしたが、これで断面方向の線形状が表示されました
 ここで。不要な線形状を削除してやれば斜面の「折れ」を示す線形状が削除されます。

 ちなみに、凸凹の感じがわかりにくいため、山肌を単色に変更しています。

 斜面の形状の下方部分を取り出して複写。多少の変形を加えて、山の地肌を作りました。
 「波に洗われる部分には草が生えにくい」感覚を表現してみました。
 さらに、海を作りました。これは、単純な面形状の表面材質を凸凹にしたものです。

 ここで、頭を悩ませたのはブロックの表面形状。左のCGを見てもらえば分かるように駐車場の正面(かな?)部分は正常な形状をしていますが横は変な風になってますね。
 これは、マッピングによって表面形状を設定する場合「X・Y・Zのどの方向から見た場合に正常な形状になるようにするか」という設定があること。この場合は「X」に設定しています。しかし、「シェード」にはこの不具合を回避する方法として「ラップマッピング」があります。「X・Y・Z」を設定する所にある「ラップ」がそれです。これは、「対象形状にラップを巻くようにテクスチャーをはる」設定。これを使えば「見事」に出来るはず・・・ですが、これにも問題が。それは、「対象に対してテクスチャを小さく敷き詰めて繰り返し貼り付けをする場合、10×10までしか設定できない」事です。この場合には「でかいブロック」で斜面が作られてしまう・・・。
 これを、回避するには予め完成形をイメージして、たとえば「30×30」のマッピングをしたければ最小でも「3×3」のテクスチャをつくる、しかないようです。(南無。)

 さて、「ワインディング」の作成、としては一応の完成を見たことにして、最後に”No.8”の「でか4駆」と”No.9”の「スポーツカー」を駐車場に配置してみました。

 影の感じも出したかったので、アスファルトの色を灰色に変更しました。

 いつものようにレンダリングの品質を「細かい」にしてレンダリングさせてみたらなかなか出来ない!というより、「全然出来ない!」とにかく、計算量が多すぎて処理が追いつかない。
 しょうがないので、車のライトに設定してあった光源を消去、レンダリング品質を「普通」にして作成しました。あぁー、ブロックをきちんと作らなかった罰かな?(何でやねん!)

 それでも、レンダリングに 50000秒 かかりました。はぁ・・・
  (ちなみに、「でか4駆」を消して「スポーツカー」だけにすると419秒で終わりました・・・

 なんか、更にいいPCが欲しくなるなぁ・・・

〜〜 今回はここで「完成」にします。さて、次は何作ろうかなぁ? 〜〜

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