『愛してる。』


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超番外編っ!【奈津美と蓮の休日】



 最近の奈津美の休日のお気に入りの過ごし方は、レディグレイのミルクティにシナモンロールを食べながら、DVDを見ること。
 ちなみに、某トゥワ○ニングの紅茶を好んで飲んでいるけれど、レディグレイに関してはティーパックの方が美味しい! という結論が出ていた(これは事実だっ!)。

 今年で平成仮面ライダー十周年、ということで「十年間」を意味する『ディケイド』が放映されているのだが、それに触発され、平成仮面ライダーを片っ端から見ている。
「オダギリジョーって仮面ライダーやってたんだね」
 今ではすっかり個性派俳優として活躍している彼からは想像がつかなかった。
「一条さんがかっこよかった」
「そうだね」
 蓮も珍しく同意している。
 そして今は、その「クウガ」の後から始まった「アギト」を見ている。
「ねぇ、蓮」
「ん?」
 アギトを見ながら、奈津美はつぶやく。
「私、要潤って全然タイプじゃないんだけど」
 ファンが聞いたら怒りそうなことを言っている。
「アギト見てたら、惚れそうになるわ……」
「な、奈津美? まあ、わからんでもない……が。いい役だもんな」
 蓮は奈津美の頬を両手で挟み、自分に向かせる。
「奈津美はオレだけを見ていればいいの」
 そう言ってキスをする。
「ん……」
 シナモンロールとレディグレイの味がする。
「奈津美、美味しい」
「美味しいのはシナモンロールとレディグレイでしょ!?」

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「美歌さんから?」
 美歌が奈津美たちのいるブライダル課で働きはじめてしばらくしたある日。奈津美は美歌から一本のDVDを渡された。
『ママ友が教えてくれて試しに見たら面白くて。元々はテレビドラマなんだけど、そっちは長いからとりあえず劇場版を見て』
 意味深な笑みで美歌は奈津美に手渡した。
『見終わったら返してねっ!』
 と言って、美歌は帰っていった。
『必ず佳山さんと見るんだよっ!』
 とも言っていた。
 手渡されたのは、
『仮面ライダー電○ 俺、誕生!』
 と書かれたDVD。
「仮面ライダー?」
「うん」
 奈津美と蓮は、パッケージを見て、悩む。確かに最近、仮面ライダーをよく見てはいるけど……まさか美歌から渡されるとは思っていなかったので、戸惑った。
「とりあえず、見ようか」
 デッキにDVDを入れて再生する。開始五分で奈津美は画面を見て、爆笑する。
「うわっ! 蓮そっくりな人がっ」
 そこには、青いメッシュの入った髪に黒ぶち眼鏡の知的だけどナンパな男が写っていた。
「オレ、こんなのか?」
 むっとした声に奈津美は笑いをこらえ、
「イメージ的にはこれだよ!」
 美歌が言いたいことが分かった。お話内容はテレビドラマを見てないのでよく分からなかったけど、まあまあ楽しめた。
 あとは、
『ユウト、ユウト!』
 と言っていつもおろおろしている緑の化け物。ユウトなる男をすごく世話していて、料理も上手。
「なんか……おかんみたいな人だ」
 美歌はきっと、この化け物のことも言っているのだろう。
「うっわー、これは面白いわ」
 奈津美はにやにやしてテレビを見ている。
「面白くないっ!」
 蓮は話の内容よりも奈津美の反応が面白くないようで、しかめっ面をしている。
「蓮はさっきの青いメッシュの彼の見た目で、中身は緑の化け物ってことを美歌は言いたかったんだよ」
「……なんだろう、激しく複雑な気分なのは……」
 後日、美歌にDVDを返したときに
「ちなみに奈津美は『おか○さんといっしょ』の歌のお姉さん『みたにたくみ』さんかなぁ、見た目のイメージ……。えくぼがかわいいのよ!」
 と言われた。
 土曜日、ぼーっとテレビを見ていたら、『お○あさんといっしょ』をやっていたので見たら、
「美歌さんが言ってた人って、この人か?」
「みたい。似てる?」
「……えくぼだけかな……」
 テレビ画面に目をやると、お姉さんは楽しそうに歌っている。
「うん、そんな気がする」
「やっぱり、蓮のあの電○には負けるな!」
「いやオレ……。勝ってないから……」



【おわるw】


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