マイホームの違い
平成14年10月作成


『注文住宅って高いんでしょ?』『建て売りって欠陥住宅ばかりなんでしょ?』などなど
私が仕事をしていると良く聞く話です。
本当にそうなんでしょうか?そして本当にそれだけなんでしょうか?
ここでは、色々な種類のマイホームに対して私が思いつく限りの長所・短所を書き込んで
行きたいと思います。




注文住宅
注文住宅とは、昔建築方式に区別が無い頃からの建築方式の事。日本の住宅建築の
基礎的な方式で、建売住宅などが、普及してきた頃に区別する為、出来た呼び方。
そもそも注文住宅とは、高級住宅ではなく、自分で作る住宅だと言う事。

プレハブ住宅や仕様型住宅(仕様により形が決まっている物)、そして建売住宅以外で、
ゼロから計画し建築する方式の事で大工さんに頼んでも建築家に頼んでも、どちらも
注文住宅。

一般的には、フルオーダーで高価なイメージが定着しているが、それは他の建築方法が
確立する前から住宅は高い物だという概念のなごりである。
正確に言うと、住宅を沢山の人に普及させる為、値下げをする必要があり、その為供給量を
増やす事によりそれを実現したのが、分譲住宅などの建売。
反対に注文住宅は、生産性よりも性能などを優先している為、価格的に下がらないので、
高価に感じる。

それでは、注文住宅は安くならないのか、と言うとそうでもない、作る側の計画的な物が、
最優先されるなので、安く作ろうと思えば安く作れる。

ここで注意してもらいたいのは、注文住宅は、お金のかけ方も自由に出来るからといって
『骨組みは、どうでも良いからもう少し安くして』なんて、建築屋さんにお願いしてはダメ。

はい解りました!なんていかないし、YESと応えるような建築屋さんは、非常にまずい・・・
構造部分は建築物にたいしてとても重要な部分で、これがおろそかになると、いくら安く作っ
ても、結果として将来的に損をするようになる。
普通、注文住宅を専門にやっている会社なら、お客様の予算を計算に入れて、必要な構造
体の設計をするはずです。(法律的にもしなくてはいけません。)

注文住宅とは、ある程度の基準を満たしていて、色々な部分に、希望を追加できるものだと
思ってください。
ですので、安く出来ようが、高く出来ようが、注文方式で家を建てた人は、幸せなんです。
長所
・希望に近い住宅が出来る
・オリジナル性が高い
・高い満足度をえられる場合が多い
・依頼先によって、特徴がある物になる
・将来設計に基づいて建築が可能
・居住性が良い
・敷地の状況を選ばずに施行できる
・欠陥住宅になりずらい
・建築行為自体楽しめる
・施行状況を確認しながら、建築できる
短所
・計画・建築工事に時間がかかる
・量産性が無い
・比較的高価になる割合が多い
・施主側にも知識や細かい計画面で、負担がある
・高い施行技術が必要
・完成までのイメージがつかみづらい
・イメージどおりに出来ないと余計不満が残る
・依頼先の選択に時間がかかる



建売住宅(分譲住宅)
建売住宅とは、一般的には建築業者が大型の土地を開発分譲し、建物を建てて敷地を販売
する方式の事を言う。
簡単に言えば、すでに完成している”土地付き建物”の事

その昔、日本の居住環境が、”一部屋に家族全員”だったころ、住宅は2世帯や3世帯に1軒
で足りていました。(ちゃんと調べてないけどね・・・)

しかし戦後の経済成長の中、急激な生活環境などの変化から、住宅は1世帯に1つは必要と
なったのですが、数が足りませんでした。

その為、国は住宅の供給数を増やそうと色々な政策を行い、日本の居住環境の改善を図って
きたのです。
その時に、世間の流れ的に出来てきたのが、建売住宅と言われている物です。
しかも地価の高騰なども手伝って、その分野は急成長をしました。

昔の話ですが、郊外でも分譲を行なえば、売り出し当日から、お客様が行列をなして並んで
いたそうです。当然家を買う為には、抽選をする事も有ったらしいです。
今では考えられないですが。

欠陥住宅が多いとの、話がありますが、理由として1.生産量が多い為 2.工事期間が短いの
2つが考えられます。
個人的には、工事期間が短いのが、手抜きなどの一番の原因だと思っています。
結果的には日本の建築技術を高めるきっかけにもなりました。
長所
・建築行為自体に時間がかからない。
・時間がかからない為、施主にも負担が少ない
・量産性が高い為、規格化が進んでいる
・上記の理由により、価格が比較的安価
・完成物なので、細部を把握できる
・品質・性能にバラつきが少ない。
短所
・希望通りに行かない部分がある。(オリジナリティの欠落)
・量産性を重視している為、希少性がない
・施行者を選定できない。
・完成している為、構造体を確認しずらい
・取引相手が業者である場合が多いので、素人には抵抗がある
・万人に合うように作られている為、施主専用の住宅にはならない




売り建て住宅(建築条件付き売り地)
売り建て住宅とは、一般的に建築条件付売り地の事を言う。
建売住宅の注文住宅よりの方式とでもいったところ。

時代の変化により、最近では個性を重視する傾向にあり、住宅にも個性を求めるように成りました
その為、従来の建て売り方式では、消費者のニーズに応えにくくなっていた為、あらかじめ基本の
仕様を決めて幾らかでも消費者のニーズに応えられるようにしたのが、この方式です。

最近では特に分譲地の誓約時間が、延びたため、あえて建物を建てずに、この方式で販売を行な
う業者も増えました。

その気になれば、注文住宅のようにオーダーできるし、ある程度の仕様(規格)が決まっているので
時間や価格の負担も少なくてすみます。

注文と建売の長所を備えていますが、同じく短所も備えていて、結局は”帯に何とか襷に何とか”と
言ったあたりでしょうか?
しかし新たな建築方式としては、今の時代に合っている物だと思います。
長所
・建売より自由性が高くオリジナリティーも高い
・注文法時期に比べて、建築行為の時間が短い
・建築行為自体楽しめる
・施行状況を確認しながら建築できる
・品質・性能にバラつきが少ない
短所
・基本はあくまでも仕様型住宅(規格品)の為、変更箇所が増えると、非常にコストがかかる
・施行者を選定できない
・現物がないので、完成時のイメージをつかみづらい
・建売より建築行為自体の時間がかかる為、負担がかかる
・注文住宅に比べて自由性が劣る
・取引相手が業者である場合が多いので、素人には抵抗がある




以上私OKASAが勝手に思っていることを含めてざっと上げてみました。
今回はあくまでも、個々の違いを解りやすく表記したものであり、これ以外にも
長所短所はあります。そして、その長所短所にも原因があります。

注文住宅だから、絶対に良いとか、建売だから欠陥が多いとかではありません。
あくまでも客観的にみた物です。

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