建築基準法の基本事項
平成14年10月作成


目的(法第一条)
 建築物の敷地、構造、設備、および用途に関する最低限の基準を定め、国民の生命、健康及び
財産の保護を図り、公共福祉に資する。

つまり、建築基準法とは上記条文のとおり、必要最低限の決まりごとだと言う事。




法の形体
 1.法律
   国会の決議を経て決定(制定)される物の事。法(ホウ)という
   例:建築基準法・民法・都市計画法など

 2.政令

   内閣が発する命令の事、令(レイ)と言う。
   例:建築基準法施行令など

 3.省令 
   各省大臣が発する命令の事、規則(キソク)と言う
   例:建築基準法施行令規則
  
 4.告示
   法の認定の事、法律に関しての解釈など細かい決まりごと、告示(コクジ)と言う
   最近は、これがちょくちょく増えたり変わったりする管理人の嫌いな法文でもある
   例:国土交通省告示

 5.条例

   各地方公共団体(お役所)が個別にその議会の決議を経て制定するものの事、
   条例(ジョウレイ)と言う。
   知らない地域で仕事をすると知らない条例があり痛い目に多々あう
   分譲会社などの開発業者はいかにこれを無視したり破ったりするのがお仕事
   例:県条例

 6.規則
   各地方公共団体の長が発する命令の事、規則(キソク)と言う。
   条例をさらに細かく制限したものが多い、地域によって内容が異なる。
   例:市開発指導要綱・建築基準法施行令細則

 7.協定・計画
   法律とは別だが、その他各法規にのっとって、各団体が定める計画や協定の事、
   地域ごとに法規以外に建築に関する決まりごとを定めたのもで、変わった場所に
   行くと良く有る。
   定める事自体はさほど難しくないが、定めるとその地域の不動産的価値が下がる
   事がある(建築するのに不自由になる為)
   例:地区計画・建築協定




単体規定
 単体規定(タンタイキテイ)とは、建築基準法の中でも建築物個々の安全性や衛生上などの
基準を定めたもので、構造や敷地・設備や用途に関する規定の事。
採光や階段の構造などこんな部分にはこんな物を使うもしくは作ってください。などの内容




集団規定
 集団規定(シュウダンキテイ)とは、建築物そのものの規定ではなく、建築環境に対しての規定
基本的には都市計画区域内のみに適用される。
簡単に言うと街中に建物を建てるときに決められている、高さや大きさについての規定の事。




よく勘違いをする方が居ますが、日本の中の建築物すべてに建築基準法は適用されるわけでは有りません。
適用されるのは、都市計画区区域内外の建築物や工作物、敷地や設備などです。
その中でも、小規模の建築行為に関しては、法適用外になる物もあります。
例えば犬小屋を作ったぐらいでは、建築基準法は適用されないと言うことです。(限度はありますが)

有名なところでいえば”北の国から”で立てているお手製(廃材リサイクル)の家は、建築基準法の適用を
受けないからゴローさんが自分で立てることが出来たんですよ。
あの建物は、街中じゃ出来ない(ちゃんと計画すれば可能かも)のです。
火を使うところ(暖炉)の壁や天井が木で出来ていては、防火上合法にならないですしね。
だから燃えちゃったのかな?・・・・・

それと法律制定以前から存在するものに対しても、その部分に対しては適用されません。
『法律が変わったから貴方のお家、違法建築です。』なんて事になると大変ですよね。
その他、重要文化財なんかも適用外になっています。

ここの件に関しては、普段街中を歩いていても無意識に触れている部分です。
例えば、駅前には木造の建物が少なかったりビルばかりだったり、道幅が一定だったり、マンションの
屋上のほうの一部が凹んでいるもの法律が適用されているからなんです。
是非一度は違う視点で今住んでいる町や家を見てみてください。

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