油圧チルト
オイル注入


まず、このネジを取り外します。



ヤマハの大半の2スト船外機は17のボックスレンチで外れます。


油さし等を使って穴からオイルが溢れるまで注入します。
ヤマハの大半のエンジンは完全にチルトアップ(エンジンを起こした)をした状態で注入するのですが
一部の機種は逆にチルトダウン(エンジンを下げた)状態で入れる場合もありますので注意して下さい。

スズキ船外機でチルトオイルのタンクがブラケットの外側についてるタイプの場合、
年式によりチルトアップ状態とチルトダウン状態の2種類ありますので注意して下さい。

注入するオイルはエクソンモービル社製のATFオイル DEXRON-Vタイプです。
(従来のゼネラルG-ATFの代替品です。)



オイルが注入穴下限までになり、こぼれ始めたらネジを取り付けて完了です。



手動チルトの仕方(油圧解除)
油圧チルトが効かない時やエアー抜き等の時に行います。

エンジンブラケット右舷側にある穴にマイナスドライバーもしくは
ラチェットレンチにマイナスのソケットを嵌めて中のネジを緩めます。
緩める方向は矢印の方向(右回転)となります。

機種により、この穴が小さく、一回り小さなマイナスドライバーでないと使えない場合もあります。
時々、固着して緩まない場合もありますので、無理して緩めマイナス溝を壊さないようにして下さい。



ボートに乗ってる状態で緩める場合は、なかなかドライバーが溝に入らない場合もあります。
尚、チルトアップした状態で緩める場合は、緩めると同時にエンジンが下がり始めますので
手等を挟まないために2枚下の写真のチルトストッパーを下げておく等して下がらないようにして下さい。




チルトダウンした状態で緩めた場合、2ストの60馬力以上はエンジンのカウリングを持ってチルトアップするのは
重量的に困難なのでエンジンを上架した状態か浅瀬で水の中に入りロワーケースを持って持ち上げて下さい。
その際、プロペラ等で手を切らないよう注意して下さい。

オイル不足なので油圧回路にエアーが噛み込み電動チルトスイッチを押した時に
チルトアップ及びダウン時にジュッジッと音がする場合とかオイルは規定量入っておりモーターは回るのに
アップもダウンも急に出来なくなった場合などはこの方法でエアー抜きを行ってみてください。

油圧回路を解除し手動で2.3回上下したら再度チルトオイルの量を確認し
緩めたバルブを締めて完了です。


これがチルトストッパーです。


エンジンをチルトアップした時は安全の為、極力ストッパーを下げておいて下さい。
特にチルトアップした状態で数日以上保管する場合は必ず下げておいて下さい。
下げておかないと新品でもエンジンが下がってしまいロワーケースが水に浸かってしまい。
そのまま知らずにいるとフジツボ等が海水取入れ口内部にまで付着し
オーバーヒートの原因となります。

ストッパーをかけない方を沢山見かけますが、本来チルトアップした状態で保管する場合は
ストッパーをかけておくものなので保管時は必ずかけておいてください。
(上架保管の場合はチルトダウンした状態で保管するので通常ストッパーは使いません)

このストッパーが固着して動かない場合は修理するかストッパーの変わりに
木などを間に挟んで下がるのを防止して下さい。



トリムメーターのセンサーです。
エンジンがチルトアップした状態ではバネの力で上に上がっています。



エンジンをチルトダウンさせるとセンサーのアームも下がりトリムメーターの針も下がります。
チルトアップした状態でセンサーのアームを一番下に押し下げた時、
トリムメーターの針が一番下になれば正常です。
針が動かない場合は、このセンサーかメーターの故障及び配線の断線等が考えられます。



油圧チルトを動作させる為のモーターです。
最近のエンジンは樹脂ボディーですが、写真のような従来のエンジンは鉄のボディーで錆びやすいので
グリス等を塗って防錆して下さい。ただし、グリスの種類によってはグリスに水を含み逆に錆びやすくして
しまいますので注意して下さい。

当店でヤマハグリースWR No,2をこのモーター部に薄く塗り塩分濃い目の海上係留で1年試したところ
錆の進行はほとんどありませんでした。このヤマハグリースWR No,2はお勧めできる商品です。
ヤマハグリースWR No,2 250g 部品番号:90790-74046 参考税込み価格:1.470円(2007/05現在)