キャブ内部の塩詰まり
2001/11/01掲載
3ヶ月程乗っていない船外機を知人から分けて貰ったから
そのエンジンで新規に定期検査を受けたいので、念の為整備して
欲しいと25馬力の船外機を店頭まで持って来たのですが、
何かピンと来るものがあり、お客の前で試運転したらエンジンが
セルモーターでかかりませんでした。かからないというより、カチッというリレーの
音だけしかしないので、バッテリーかとも思いましたが、昨日まで使用していた
当店のバッテリーなので問題は無いはずと思い、手動で引っ張ったら
手動でも回りません。多分焼き付きか錆び付きと思い、再度セルモーターの
ボタンを数回押したら何とか回るようになったものの、エンジンは始動しません。
キャブレターが詰まってるのではと思い、キャブを分解したら写真の通り、
塩が固形化して溜まっていました。原因の推測ですが、後日お客に燃料タンク
を調べて貰ったら水が大量に溜まっていたそうです。多分、何らかの関係で
燃料タンクに水、というよりも海水が入り、その燃料を使っていた為
キャブに海水が溜まり、海水の混じった燃料でエンジン不調ながらも
騙し騙し乗っており、その後3ヶ月も放置したため、その水分で船外機の
ピストンとシリンダ、及びベアリングが錆びつき固着した為、エンジンが始動できなく
なったものと思われます。多分、前の所有者はキャブに海水が溜まってエンジンの調子が
悪くても、何とか使えない事はないからと言う理由で数ヶ月は乗っていたのでは
ないのでしょうか?燃料タンクとか燃料フィルターの点検は定期的に
行うことが大切です。また、追加で大型の燃料フィルターを取り付けることも
キャブの詰まりによるエンジン不調とか燃料の水分混入によるエンジン
錆びつきの防止にも役立ちます。