シリンダヘッド内部腐蝕

2001/09/25撮影
ヤマハ60馬力船外機のシリンダヘッド、冷却水通路部の塩分による腐蝕
中央の穴は点火プラグ穴です。穴右下が腐蝕箇所ですが
よく見ると小さな穴が明いてしまっています。ここから燃焼室内に
冷却水が入り、エンジン不調で修理を依頼されました。


2001/09/25撮影
ヤマハ30馬力船外機のシリンダヘッド内側です。
冷却水通路(特に右下)が塩で部分的に塞がれています。
左下のヘッドの燃焼部と冷却水通路の間が腐蝕しており
燃焼室と通じる寸前です。通じてしまうと燃焼室に水が入ってしまいます。

上記腐蝕の原因は推測ですが、塩詰まり状態でオーバーヒートを
起こしてるにも関わらず、無理して使っていた為、オーバーヒートにより
ガスケットの一部が焼けて破損し、その破損箇所の隙間から海水が
進入し、対流とか隙間腐蝕等の何らかの原因で腐蝕したと考えられる。

ビニール等を冷却水通路に一時的に巻き、インペラが破損するほど
強いオーバーヒートを起こした場合、極稀ですがその段階でヘッドガスケットを傷め
インペラ交換後1ヵ月後(毎日使用して)ぐらいにヘッドが腐蝕して
水が燃焼室に入りエンジン不調になる場合があります。
まら、この不調な状態でプラグに水滴が付いているか確認すれば
良いのですが、そのまま点検もせず、長期保管すると水分でベアリングが
錆びたりしてエンジンが固着してしまう場合もあります。



1枚上の写真の全体写真です。冷却水通路上部左右と
左下に塩詰まりがあり、燃焼室と冷却水通路の間に両気筒とも
数箇所腐蝕してるのが分かります。
左燃焼室(上気筒)では上と右に。右燃焼室(下気筒)では
下側2箇所に腐蝕箇所があります。