ヤンマー汎用ディーゼルエンジン NFAD8


エンジンオイルを滅多に交換しないエンジン内部です。
ボーリングの関係で長時間低速で使用する場合が多い為
本来なら通常より早目にエンジンオイルを交換する必要があります。


1枚目の写真のアップです。ヘドロのようにカーボン混じりの不純物が付着しています。
このようになると数回エンジンオイルを交換しても中は綺麗になりません。



オイルを滅多に交換せず継ぎ足しばかりで使用していたため、
歯車の歯が減ったりベアリングが磨耗したりしていて
かなり大きな異音がしています。


燃料噴射ポンプを駆動する側(オイルケース内部側)も不純物混じりのオイルが
付着しています。


写真のようにファンベルトに亀裂の入ってる場合が多々ありますので
定期的に点検が必要です。

ピストンリング交換前
リング隙間がかなりあります。
ピストンリング交換後
ピストンリング交換前の隙間は3ミリ。

新品に交換後の隙間はライナーが減ってる
関係も有り0.7ミリ

カーボン除去前
右:ヘッド側排気通路
左:マフラー側排気通路

カーボン除去後
右:ヘッド側排気通路
左:マフラー側排気通路




シリンダーヘッド燃焼室側


バルブとバルブシート両方とも当たり面が悪く光沢がありません。
バルブの弁部下はカーボンが堆積し吸排気の流れを阻害し効率を燃焼悪くしています。



燃料噴射弁・吸排気ガルブ・ヘッドガスケットを外した状態です。


ピストン頂部もカーボンが堆積しています。
写真では分かりませんがピストンリングもリング溝にカーボンが
堆積しリングの動きが悪くなっています。


バルブの当たり面が正常な場合は右側のバルブのように弁部先端近辺が輪となって光っています。
左の弁のように全体が真っ黒なのはバルブが正常にヘッド側のバルブシートに
当たっていない事になります。左側のバルブの弁腕の当たる部分(写真の地面と反対側)に
斜めに筋が入っていますが現物はこの箇所が磨耗で凹んでいます。
また写真では分かり難いのですが、下の部品の弁腕のバルブと接触する部分(両サイド上側光沢部)も
光沢部分の中央付近が磨耗で凹んでいます。この結果バルブ隙間も基準値と違って広くなっています。



ボーリング屋さんでバルブシートを研磨後の写真です。
バルブは吸気・排気共に弁腕との接触面が磨耗している為、新品を持って行き
摺り合わせて貰いました。また全体もカーボンを除去し洗浄して貰いました。