船外機(90A)水洗の仕方


ホースの先端に付いているのが船外機水洗用パーツで、数種類発売されています。
船外機の機種により、補助冷却水取り入れ口の有る機種もありますので、
その場合はそこからエアーを吸わせないように補助取入れ口を
一時的にガムテープ等で塞いでおいて下さい。

この方法でなく、大きなバケツの中に水を溜めて行う場合は
冷却水ポンプより上の位置まで水を溜めて試運転を行って下さい。
上の写真のロワーケース取り付け面より10センチ位上まで水が常時あるようにして下さい。
(前側から出ている水の位置より10センチ位上)

機種により、この方法でなくアダプター(接続金具)を使って冷却水取入れ口
以外の専用場所から冷却水を取り入れる場合もあります。

エンジンに流す水はエンジンを始動する前に流し、止水はエンジンを
停止してから行って下さい。インペラ式冷却水ポンプを持たない水上バイク(一部例外あり)
の場合とは逆になります。水上バイク(一部例外あり)の場合はエンジンを始動してから
冷却水を流し、エンジンを止める時は止水してから、排気から冷却水が
大体排水されなくなってから止水します。船外機の場合、間違えてこの順序で
行うと冷却水ポンプがゴムの羽で出来ているため焼きついてしまう恐れが
ありますので順序を間違えないようにして下さい。


90Aの場合、冷却水はボトムカウリングから斜め後方に排水される
エンジン内部を冷やす前の汲み上げ点検用の水とプロペラ内部から
排気と共に排水されるエンジン冷却後の水、この間にある排気口から
排水される同じくエンジン冷却後の水(下の写真参照)、それと1枚前の
エンジン前側から出ている水が写真のような勢いで出ていれば正常です。
ただし、夏場など節水で水道から出る水の量が少ない場合は除きます。
この場合、大量に冷却水を必要とする高馬力船外機では水量が不足して
オーバーヒートブザー等の警告装置が働く場合もあります。

ホースの途中にコックを付けておくと便利です。


ボトムカウリング(トップカウリング=エンジンカバーを脱着するレバーのある箇所)より
少し下側に有る二つの四角い穴とプロペラ中央からエンジン各部を冷却した
水は排気と共に排水されます。ボトムカウリングにあるパイロットリリーフ孔
から出ているエンジンを冷やす前の水(多少は冷やしています)でポンプから
水を汲んでいるかを確認するための水は写真のような勢いで出ているのが
正常で、この勢いが弱い場合は冷却水ポンプ内部のインペラ(ゴム製の羽)
が破損している可能性があります。ただ単に塩詰まりで勢い良く出ていないだけの場合も
結構ありますので、以下の写真のように、まず通路に詰まりがないかを確認して
それでも出方が悪い場合は冷却水ポンプを念のため確認してみて下さい。
2箇所の排気と一緒に排水される冷却水はエンジン内部にあるサーモスタットが開くまでは
かなり高温になります。開いた後はぬるま湯程度に温度は下がります。
サーモスタットは閉じたり開いたりしているので、排水される冷却水の
温度もその都度変化しています。


針金でパイロットリリーフ孔を突付いてみて下さい。
大抵はこれだけで出方が良くなります。
初期の頃の船外機では、この点検口の無いエンジンが結構ありました。
25年以上前の話ですが・・・


それでも出方が悪い場合は、その元であるホースを外して突付いて下さい。(下の写真参照)


エンジンを試運転しながら突付いた方が、固形化した塩が冷却水と一緒に
排出されて取れやすくなります。塩の塊が何十個もある場合は、アクセルを
吹かしたりして水圧に変化をつけた方が排出されやすくなります。
数回繰り返さないと完全に直らない場合も多々あります。
水が飛び散りますので、電装品関係が濡れないように注意して下さい。
特にプラグコード等に濡れると感電する可能性が有りますので特に注意して下さい。


1枚前の写真のホースの反対側である排水部分の接合部内部で
塩の塊が詰まっている場合もありますので、このホースを外して
反対側から針金で突付くかエアー等で吹いて内部を清掃する場合もあります。
ホースクリップを数センチ位置を動かしてから、このホースを外し
3枚前の写真のように出口側から作業を行って下さい。


 

このように止水コック付きのワンタッチカプラーを付けて用途により
先端を交換すると便利です。当店の場合、このコック部をボートの中に引き込み、
ボートの上で水を出したり止めたりしています。このコックがないと
調整や点検が完了するまで水を出しっぱなしにするか、その都度水道の蛇口まで
行かなければならないので大変助かっています。
ホームセンターの園芸関係で販売されてると思います。
写真右は水道の蛇口は開いたままでカプラー側のコックを止めた状態です。