サーモスタット交換2 (サーモ点検)


抜き出したカラーとサーモスタットです。このような形で組み込まれています。
カラーはオーバーヒートにより多少溶けて変形しています。



左が新品のカラー、右がオーバーヒートにより少し溶けて変形した現在付いていたカラー。
オーバーヒートの程度により、このカラーはさらに溶けて変形し、冷却水の流れを
妨げることがあります。オーバーヒートを起こした場合は、インペラの交換だけでなく
念の為、このカラーの点検とサーモスタットの作動点検をする事をお勧め致します。



左が現在付いているサーモスタット。右は新品。
通常の温度では、このように弁は閉じています。



サーモスタットを水の中に入れ、徐々に温度を上げていくと
ある一定の温度になると弁が開きます。
写真では右の新品のサーモスタットだけが弁が開いているので
左の現在付いていた物は故障していると判断出来ます。



取り出した後、サーモスタットの温度が下がると弁は閉じます。
閉じない場合は故障です。写真は温水から取り出した直後なので
新品の方は開いたままです。また、この開き具合も大切で
開きが狭い場合も新品に交換してください。



サーモスタットには種類があり、開弁温度も機種により違います。
ヤマハの場合、開弁温度はサーモスタット下側に刻印してあります。
写真の8CM用の場合は50度となります。
尚、開弁温度が一緒でも弁の部分に1ミリ前後の穴が開いてるもの
とかスリット(穴の代わりに逃がしの溝)があるものもありますので注意して下さい。
尚、開弁テストでは沸騰した湯でなく80度前後の温度まででテストをして下さい。
出来れば水の中に入れ、徐々に温度を上げて80度以下でテストして下さい。



サーモスタットが正常な場合、サーモスタット部や写真で指しているエキゾースト部は
サーモスタットが開くまでは徐々に熱くなり、指で2秒前後までしか触れなくなるまで熱くなります。
その後、サーモスタットが開くと共に何とか触れるまで温度は下がります。
走行中、エキゾーストが指で数秒も触れないような場合は、インペラの破損や
サーモスタットの不良、塩詰まりによりオーバーヒートが考えられますので、
すぐに修理に出して下さい。



指が分かり難いですが、人差し指で指してる箇所がパイロット孔です。
ここから排出される冷却水はあくまでも冷却水ポンプが水を汲み上げてるかの確認用で、
エンジンを冷却してる水が正常に働いてるかの確認用ではないので注意して下さい。
尚、塩の塊などが詰まってここから水が出なくなる場合が時々ありますので
出ない場合とか出方が弱い場合は、クラッチをニュートラルにし、アクセル吹かしたり緩めたり
しながら穴の中を針金で突付いてみて下さい。大抵はこれで出るようになります。
それでも出ない場合は、先程上の方で説明したようにエキゾーストを触ってエンジン温度に
異常が無いか確認して下さい。

小指で指している左の穴は排気用の穴ですが、走行時は大半がプロペラの
中央から排気と冷却水は排出されます。



パイロット孔からは、これくらいの勢いで排水されればOKです。
勢いが弱い場合は、針金で突付いてみて下さい。それでも良くならない場合は
修理が必要だと思います。