インペラ交換2 (点検整備)


ロワーケースからウォーターポンプを分解しプロペラを取り外した写真です。


写真では取り外してありますが、ウォーターポンプケースの上側にある
ゴム製のダンパウォーターシールとここに差し込まれる真鍮製のウォーターパイプ
との接合面が悪いと冷却水が上手く回らず、オーバーヒートの原因にも
なりますので、このダンパウォーターシールを交換すると共に
後述しますが、ウォーターチューブも清掃して下さい。



ポンプケース内部のインサートカートリッジ(ステンレスの部品)の
磨耗も点検して下さい。この程度なら、まだ良いのですが傷が深いようでしたら
抜き出して交換して下さい。



左は新品。右は交換前のインペラです。
亀裂とかが無ければ使えない事もないのですが、このように曲がり癖がついていると
正常に水を汲まない場合があり、90馬力などのオーバーヒートブザーの装着した
エンジンでは正常に冷却水が出てるように見えてもブザーが鳴る事があります。
出来れば曲がり癖のついてる物は交換して下さい。



インペラの下側です。下側にはキー溝があるので、逆向きには装着できません。
右側の現在付いていたインペラは、少し焼け焦げています。
多分、走行中にビニール等が冷却水取入れ口を塞いでしまい、
冷却水ポンプまで水が回らなかった為、過去に焼いたのではないかと思われます。



指してるパイプは、2枚目の写真で説明したダンパウォーターシールと接合される
真鍮製のウォーターパイプです。接合面が汚れているのが分かります。



ウォーターパイプの下側だけペーパーで磨いて固着物を除去しました。
組み付け時は、このパイプにグリスを薄く塗り、ダンパウォーターシールと
スムーズに接合出来る様にして下さい。



一番右の穴はクラッチシャフトが通る穴で、上からゴム製の蛇腹ブーツが
差し込まれています。その左奥の穴はドライブシャフトが通る穴で
エンジンクランク下側に通じています。その左のパイプは先程のウォーターパイプ。
一番左の穴は排気穴で排気と冷却水が排出されます。



ギヤケース内に水が入らないよう、オイルシール等に異常が無いかを調べるのに、
ギヤオイルを抜いた後、写真のように圧力計のついた空気入れをギヤオイル
注入口に接続し、規定値まで空気圧をかけ暫く放置してもその圧力を保っていれば正常です。
圧力が下がるようなら水槽の中に入れるなどして空気の漏れる箇所を調べます。
写真ではウォーターポオンプケースが付いてませんが、本来は装着した常態か
ポンプケース下側のオイルシールハウジングをボルトで固定してから行います。



機種にもよりますが、通常の規定値です。